学習塾と業務提携。セブンの顧客囲い込み戦略

 セブン&アイ・ホールディングスが、通信教育「Z会」や学習塾「栄光ゼミナール」などを展開する増進会ホールディングスと業務提携したという知らせに、驚いた方も多いのではないでしょうか。小売業と教育産業。どんな利益関係が生まれるのかと。
 Z会は、添削による通信教育では老舗中の老舗。添削してもらう答案用紙のやり取りは、ずっと以前は郵便で、その後はFAXになり、今はネットでのサービスも行っています。そのFAXによるやり取りに、「セブンイレブン」のマルチコピー機が利用できるようになります。また学習塾に対しては、塾弁が大変な保護者のためにセブンミールが提供できます。これにより、若者や子どもたちとの接点が増えます。さらに、セブン&アイHDは、自社が運営する商業施設に、増進会HDが展開する学習塾や英会話教室の誘致を検討。集客力のアップを狙います。加えて、セブン&アイHD傘下にはベビー用品を扱う「赤ちゃん本舗」があります。Z会は、幼児教育にも力を入れていて、ここにも親和性が生まれています。
 既に、セブン-イレブン・ジャパンとZ会は、高校生を対象に、スマホのサイトで出題される問題に5問連続で正解すると「セブンイレブン」で使えるクーポンが受け取れるイベントを開催。約10万人が参加したといいます。
 近年、店舗数においては飽和状態と言われ、高価格戦略で客単価は上がったものの、集客数は低下する一方のコンビニ業界。起死回生を狙って各社がどんな一手を繰り出すのか、今後が楽しみです。