サードプレイスとしての存在価値が高まるプロント

 1/31までの期間限定で提供しているパスタメニュー‟サーモンとほうれん草のアーモンドミルクソース”を食しに、久しぶりにプロントへ行きました。このメニューは、アーモンドミルク飲料「アーモンド効果」を使用した、江崎グリコとのコラボ商品。「アーモンド効果」自体、それほど強い風味ではないので、パスタソースはやわらかなクリーミーさで汎用性のある味に仕上がっています。
 プロントと言えば、フードメニューに力を入れてきたコーヒーチェーン。パスタメニューが女性に人気で、ランチタイムには、パスタにプラス300円で小さなサラダとドリンクをセットした食事を楽しむ女性たちで賑やかです。加えて、トレンドをいち早く取り入れるのも得意で、今年流行りそうな、消化されにくい難消化性デンプン「レジスタントスターチ」を含む“ハイレジ生パスタ”を使ったメニューを、2016年に既に展開しています。またベーカリーやアルコールの導入も早く、今ではすっかり“食事&アルコール”の利用スタイルが定着。会社からまっすぐに帰宅せず、気分転換をしてから帰路につきたい女性たちのオンオフ消費の場としても人気です。弊社近くの青山店では、生ビールなどを割引価格で提供する平日16~19時の利用客の半数は女性。ひとりで1~2杯飲んで帰る常連客も多いそうです。
 今年、働き方改革の推進によって退勤時間が早まり、職場でも家庭でもない居場所、「サードプレイス」を求める生活者が増加すると予想されています。プロントは、ずっと以前からそれを提供してきたことになります。

野菜の価格が高騰。この冬、人気の鍋料理は?

 昨年秋の長雨や台風などの天候不順が原因で、野菜の高値が続いています。この年末年始、休業する外食チェーン店が増えたこと、そしてスーパーで野菜が高かったことが、今年最初の困り事です。
 雑煮に入れる小松菜、鍋の材料、白菜、おでんの具、大根。すべてが高く、お正月の献立に困りました。白菜はたっぷり使いたいので1個丸ごとが欲しかったのですが、すべて1/4カット。それでも200円近くします。丸ごとなら800円。それでは高い印象で売れないからでしょう。農家の方に聞くと、今年は白菜が巻かなかったとか。スーパーの白菜も、どれもスカスカです。
 小松菜は茎が細くて短いものが多く、1把の株数は通常より少なめ。大根は細く、太い時期のものに比べると、半分の重さです。青果卸によれば、野菜の高値は2月頃まで続くそうです。
 野菜の高値は、家計に影響。生活者の消費意欲を冷え込ませています。内閣府が発表した2017年12月の景気ウオッチャー調査で、家計動向の景気実感を示す現状判断指数(DI)は、前月比0.4ポイント低下の52.3と2ヵ月ぶりに悪化しました。おそらく1月は、もっと低下するものと思います。
 葉野菜が高騰すると鍋料理の主役は、じゃが芋や玉ねぎ、にんじんといった根菜やきのこ、もやし、練り製品などになり、それらが使いやすい、トマト鍋やカレー鍋の登場回数が多くなります。この冬、どんな鍋料理で、生活者はこの難局を乗り越えているのでしょう。

年末年始、休業する外食チェーン店が増えました

 今年の年末年始。外食市場には大きな変化がありました。言わずもがな、一部外食チェーン店の休業です。
 ロイヤルホールディングスは、ファミリーレストランの“ロイヤルホスト”、天丼チェーンの“てんや”、ステーキチェーンの“カウボーイ家族”のほとんど全店を元旦休業にしました。また居酒屋チェーン“天狗”などを運営するテンアライドは大晦日を一斉休業に、“大戸屋ごはん処”を展開する大戸屋ホールディングスは、直営店の半数に当たる約80店で大晦日と元日を休業にしました。因みにすかいらーくグループは、“ガスト”で、年末年始のランチとハッピーアワーを休止しました。
 この流れを作っているのは、人手不足による人件費の高騰や、従業員の働き方の改善を試みる企業側の意識の高まりです。大戸屋は、「少子高齢化で労働人口が減少していくことを考えると、従業員が働きやすい環境を整えることは重要」と言い、テンアライドは、「年末年始は忙しく従業員が疲弊しがち。特別な手当も支給するため人件費も上がり利益は小さい。思い切って休業を決めた」と説明します。
 私は例年、年末年始は地方の街で過ごします。31日は、丸源ラーメンも、餃子の王将も休み。郊外店の多くが広い駐車場を持ち、大看板に「年中無休」とあります。「おっ、空いている」とばかり、駐車場に乗り入れて下車し、休業と知ってまた車に乗り込む家族が次々と。せめて「年中無休」の文字を隠すぐらいの配慮があってもと思いました。