憧れのスーパー、逗子のスズキヤさん

 先週の金曜日5/26、4年ぶりに「逗子海岸花火大会」が開催されました。弊社は花火大会に合わせ、スーパーマーケットの「スズキヤ」さんにご協力をお願いして、ある海外の食品会社のブランディングを目的としたキャンペーンを行いました。花火大会会場の逗子海岸やそこまでの道筋に展開する惣菜販売コーナーに、スズキヤさんの商品と一緒に並べていただいたり、アピールのための、のぼりやパネルを設置させていただいたり、スズキヤさんとのダブルネームで製作したうちわを配らせていただいたり。私は、逗子駅前店でうちわを配るお役目です。
 スズキヤさんは、お手本にしたいスーパーとして業界でも有名です。中村会長が社長時代から日本中を周って見つけ出し、交渉をして店頭に並べた、他店にはない魅力的な商品と出合えることが、スズキヤさんの魅力です。生鮮も同様です。こんなものが欲しいなと思うものがちゃんとあって、おかしな偏りがないのです。また“ブイヤベースの素”など、自力では生かしきれない憧れの素材をレストランレベルの料理に仕上げてくれるオリジナル商品も開発しています。もちろん、お惣菜もピカイチ。“国内産活鰻うなぎ”は、活鰻を裂くところから自社で行っています。
 お客様は高齢の女性が多く、皆さん地元の方のようです。うちわを受け取りながら、いろいろなお話をしてくださる方もいらっしゃって。スズキヤさんでの買い物が、ちょっとウキウキするようなエッセンスとして、日々の生活に溶け込んでいることが伝わってきます。だからでしょう。店内で働いている方々が、元気で楽しそうなのです。常に何かすべきことがないかを探し、よりよくしていこうという前向きな気持ちが、どなたからも伝わって来ます。
 スーパーの「ひまわり市場」が好きだからという理由で、退職を機に、山梨県北杜市に移住した友人がいます。私も逗子に住みたくなりました。

鳥インフルエンザとアニマルウェルフェア

 卵不足の状況が続く中、キユーピーは業務用として販売する卵をブラジルから輸入することを決めました。ヨーロッパ、ロシア、北米、南米の西側、インド、アジアと広がっている高病原性鳥インフルエンザ。ブラジルではまだ発生していないようで、世界各国から卵の注文が殺到。取引価格は、現在の日本の卵の1.5倍になっています。卵の価格はいつ元に戻るのでしょうか。鶏舎を消毒し、ひなを卵が産めるようになるまで育てる間は現状が続くでしょうし、海外に依存している飼料の価格が下がらなければ、卵の価格は高値定着のままかもしれません。
 鳥インフルエンザは、渡り鳥やねずみ、家禽やペット、時には人間が媒介になって鶏に感染します。世界的に広がっている養鶏に関するアニマルウェルフェアへの対応に日本が消極的なのは、そこにも理由があります。鶏をケージに入れず平飼いにすれば、感染リスクが高まると思われるからです。
 新型コロナウイルス感染を予防するためには「3つの密(密閉・密集・密接)」を回避することが求められました。ケージで飼育されている状態は、まさに3密。窓がない鶏舎もあるようでウイルス感染予防に効果的な換気は、換気扇に頼るしかありません。また高齢者や持病がある人は重症化しやすい一方、抵抗力が強い若者は感染しても軽度な症状で済んでしまうことも知りました。狭いゲージで運動もしない鶏は、抵抗力も弱いでしょうし、太陽の光を浴びなければ、ウイルスに対抗するビタミンも体内で生成できないでしょう。
 鳥インフルエンザは、卵を工場生産品のように、効率と安定供給を優先し、大量生産をしてきたツケなのかもしれません。1羽が感染したらすべての鶏を殺処分しなくてはならない現状は、命と向き合っているとは言いかねます。卵の価格が下がることは喜ばしいことですが、そろそろ日本も、アニマルウェルフェアについて業界を上げて積極的に取り組む姿勢が必要なのではないかと思います。

賑わいが戻ったゴールデンウイーク

 新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ“5類”に移行する5/8を控えた今年のゴールデンウイーク(GW)。行動制限がないのは、2019年から4年ぶりです。
 私はGW中、映画を見に渋谷へ、美術展を見に竹橋から丸の内界隈、銀座、新橋へ、食事をしに六本木、青山へと、数日、繁華街をぐるりと自転車で回っていました。連休中は道が空いていて、官庁街など5車線を独り占めです。
 何処も人でいっぱい。もちろん美術館は入場規制があり、予約をしていても列に並ぶところから始まりますし、人気の飲食店はオープン前から行列。丸の内と銀座の歩行者優先道路は、初夏の日差しの中、ウインドウショッピングを楽しんだり、ガーデンチェアで寛いだりする人々でいっぱいです。屋外を歩く人の中にはマスクをしていない人も多く、コロナ前に戻ったような光景でした。
 この賑わいは、外食企業、飲食店、食品卸、食品・飲料会社、業務用資材屋などなど、外食関連業者の皆さんにとって待ちに待った場景だったでしょうし、その喜びに思いを馳せると、とてもうれしくなりました。
 楽しい楽しいGWでしたが、悲しい出来事がひとつ。中日の平日、東京・恵比寿で75年続く老舗の居酒屋「さいき」に伺ったところ、店の入り口に“閉店のお知らせ”の貼り紙が。5/31を以て諸般の事情により閉店する旨が書かれていました。昭和感溢れるたたずまいの中、一升瓶ごと凍らせた“凍結酒”、外はカリッと中はふわふわな“海老しんじょう”、肉厚ビッグな“アジフライ”、洋食屋もびっくりの“カニクリームコロッケ”、私が大好きな“〆小肌”、そのほか、“クジラ刺”や“のどぐろ干”“豚バラ酒盗焼”、春にはふきやタラの芽の天ぷらも堪能できます。「孤独のグルメ Season4 最終話」にも登場。新規顧客が増えたようで、開店時間の5時前から列ができる日も珍しくありませんでした。店主の齢、建物の老朽化、コロナ禍での思いなど、さまざまな理由が推察されますが、またひとつ名店がなくなることだけは事実です。

究極のレンチンパスタ「パキット」

 発売前から話題になっていた永谷園の簡便パスタソース「パキット」。パスタをパキッと半分に折って袋に入れ、レンジで加熱した後、蒸らすだけでパスタ料理ができ上がるという画期的な商品です。従来のパスタ関連商品では解決できなかった“パスタをゆでる”という作業をカット。ゆで湯も鍋を洗う水も節約できるうえ、ガスを使わないから、CO2排出量を70%削減できるといいます。時短、簡便、環境配慮といった要素が支持され、発売前から多くの量販店で導入が決まっていたようです。
 SNSでは、フライパンの中でパスタをソースやだしで加熱する「ワンパンパスタ」が流行っています。ワンフライパンでできる手軽さと、ソースやだしがパスタに浸み込んだ意外なおいしさが、人気の理由のようです。そんな中、永谷園が放った「レンチンパスタ料理」。早速、「ボロネーゼ」「ペペロンチーノ」「カルボナーラ」の3種を作ってみました。
 本商品のように“蒸気抜き機能”が付いたパウチを使ったレンジ調理商品は、開発の過程で、加熱と水分のベストなバランスを模索する試作を繰り返します。パキットの場合、加える水の量は3種とも160ml。しっかり量ることを促されます。そのほか注意点として、出力と加熱時間、蒸らし時間は指定通りにすること、蒸らした後かき混ぜること、700w以上の出力で加熱しないこと、2個以上同時に加熱しないこと。何より、パスタは1.6mm(1.4~1.7mm)のものを100gと決められています。これらは、水分の蒸発量とパスタの加熱加減に大きく影響するからです。確かに、1.8mmの輸入パスタを使った場合と、1.6mmの国産品を使った場合では、後者のほうがパスタの硬さがちょうどよく、ソースもしっかり馴染んでいました。
 希望小売価格300円の手間なしパスタソースは、ひとり暮らしのパスタ好きに歓迎されるでしょう。パスタを折ることを邪道とするパスタ好きも少なからずいる中、敢えて「パキット」という商品名にすることで、折ることに肯定感を与えている点もおもしろいと思います。