スタバとマック。プラスチックストロー完全廃止に

 先週、米国スターバックスは2020年までに、米国マクドナルドは2025年までに、プラスティックストローを全面廃止すると発表しました。
 海には、年間1000万トンのプラスチックごみが投棄され、それが海洋生物の生態系を壊しているといいます。テレビのニュースやSNSでは、鼻に入ってしまったストローを抜いてもらう痛々しいカメの様子が映し出され、それは、世界中の人々の心を動かすのに十分な衝撃でした。両社の英断にも、少ながらず影響していると思われます。
 スターバックスはプラスティックストローがなくても飲めるよう、新しいプラスチックのリッド(ふた)を開発しています。結局、プラスチックなのですが、こちらは再生可能といいます。また紙製のストローの導入も考えていますが、プラスチックに比べて10倍のコストがかかるため、使用商品の値上げに繋がるかもしれません。
 海に行くと、流木や小枝と一緒に、多くのプラスティックゴミが流れ着いている光景を目にします。意図して捨てたものなのか、水害で流出してしまったものなのか、それは分かりません。ただ、分解されない物質で作られたものによって享受した便利さのツケが回ってきているのは事実です。近年、多くの魚や魚の缶詰、カキやムール貝から、“マイクロプラスチック”と呼ばれる長さ5ミリメートル未満のプラスチックくずが見つかっています。既に、私たちの口に入っているかもしれません。

周りの視線が気になる乙女心にハマった透明飲料

 オレンジジュース、コーラ、カルピス、乳酸飲料、紅茶からビールまで、透明な飲料がブームです。
 なぜ、透明にできるのか不思議ですね。紅茶に関しては、サントリー食品が昨年11月1日、紅茶の日を記念して透明な紅茶飲料の製法を動画で公開しています。それによると、茶葉の下から蒸気を当てて紅茶の香りが付いた水蒸気を集め、冷やして液体にしたものが透明な紅茶になるとのこと。ミルクティの場合、加える牛乳は、牛乳に含まれている成分の中から、「乳糖」と「乳清ミネラル」という透明な成分のみを抽出して使用することで、透明でありながらコクのあるミルクの味わいが実現できるそうです。
 透明な飲料に関しては、テレビ番組でもいろいろ取り上げています。生活者の声は、賛否両論。クリアな感じがいいという意見もあれば、ケミカルなイメージがあってイヤという意見もあります。さまざまな声の中でおもしろかったのは、よく利用するという女性の「オフィスのデスクの上に置きやすい」という意見。コーラやジュースなど甘い飲料をデスクに置いておくと、「だから太るんだよ」という声無き声が聞こえるのだそう。でも透明なら水に見えるから気にしなくていいと言います。飲料ひとつにも周りの目を気にする乙女心、よく分かります。
 かなり昔、清涼飲料の商品開発をしたとき、コンビニや自販機で手軽に買えて歩きながら飲む飲料は、ストリートファッションのアイテムとして捉えなくてはならないとメーカーに提案しました。その飲料を持っている自分が素敵に映る、ずっと持っていたいと思えるものでないといけないと。先の女性の言葉から、そんな過去の話を思い出しました。

懐かしくて新しい! アップデートフード

 近頃、卵サンドやソフトクリーム、プリンやコロッケなど、ちょっとノスタルジックなフードが話題になっています。癒しのニーズが高まると、必ず回顧主義が強くなり、分かりやすいもの、よく馴染んでいるものが注目されるようになります。しかも最近は、昔ながらの味だけでなく、魅力を活かしながら時代に合わせてアップデートした、懐かしくて新しい‟新レトロフード”が人気です。
 “アップデートフード“として根強い人気があるのが、ソフトクリームとプリンです。アップデートなソフトクリームは、一時流行った、ジェラートやソルベといった果汁はじけるジューシー系ではなく、牛乳の味が全面に出たミルキーなソフトクリームです。またプリンは、とろけるタイプやフレーバーが豊富に揃うタイプが一時ブームでしたが、今は、ビターなカラメルがアクセントの、昔懐かしい皿の上でも立つほどの固めタイプが主流。苦くて固いプリンは、男性をも虜にしています。
 昔から変わらず親しまれてきたコロッケにも、より自由で個性的なアップデート系が登場しています。世界中からお客様が訪れる人気レストラン、東京・赤坂の「TAKAZAWA」のシェフが監修するコロッケ専門店、銀座の「TAKAZAWA 180(イチハチマル)」では、油で揚げない‟ベイクンコロッケ”を提供。ヘルシーなだけでなく、素材の持ち味や食感を生かした仕上がりが人気です。定番の‟フライコロッケ”も、ティラミスやトムヤムクンなど、個性的な味をラインナップしています。他にも、さまざまに工夫されたコロッケを販売する専門店が増えていて、おしゃれに仕上げられたそれは、まるでスイーツのようです。

昭和より多くの食品を口にしている平成人

 縄文時代、日本人は、1500種のモノを食べていました。それが、農耕が始まると500種に減り、そして今は、数十種しか食べていないといいます。食の供給が安定されたことで、野草やねずみ、水亀など、採取して食べるものは、労力と確率の面から敬遠されたのでしょう。
 そんなに昔ではなく、昭和と今を比べてみましょう。食卓に上る料理の品数は明らかに減っています。一汁三菜の献立はとても無理、という家庭は多いのではないでしょうか。でも食品を作るための原材料まで数えると、今のほうが圧倒的に多いと思います。
 例えば昭和の食卓の場合、ご飯は米と水、みそ汁は野菜や豆腐(大豆とにがり)とみそ(大豆と塩と麹)とかつお節と昆布、焼き魚なら魚と塩、煮物なら野菜としょうゆ(大豆と小麦と塩と麹)と砂糖。こんな程度です。
 が、今は―。家庭の料理においては、簡便調理品や合わせ調味料を使うことが多くなりました。そして、それらには多くの原材料が使われています。発色や食感をよくするため、保存性を高めるため、形状を安定化させるため等々。先出の豆腐にしても、スーパーで買うことが当たり前になった今、原材料は大豆とにがりの他に、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトン、塩化カルシウムなどの凝固剤、油脂系消泡剤、グリセリン脂肪酸エステル、シリコーン樹脂などの消泡材が使われています。コンビニやスーパーの弁当・惣菜の原材料表示は、文字数が多いため文字はどんどん小さくなり、読めません。外食においても、業務用食品を利用している店がほとんどですから、家庭の料理同様、いえそれ以上に口に入る食材の量は多いでしょう。
 ひょっとしたら、平成人は縄文人より多くのモノを食べているのかもしれませんね。

76.4%の有職女性。「家事は仕事よりツラい」

 家事は仕事よりツラい―。オイシックスドット大地が、20〜50代の有職女性を対象に行った調査結果で、そう思う瞬間がある女性が76.4%に上りました。はっきり言って、家事は仕事より大変です。これに子育てが加わると、仕事なんて息抜きです。あくまで私感です。家事がツラい理由は、「同じことが毎日繰り返されるから」「終わりがないから」「休みがないから」など。家事の中で「ツラい」と思うものと「ちゃんとしたい」と思うものは、どちらも「掃除」と「料理」。「料理作り」がツラいと感じる理由は、「作るのが大変だから」「時間がないから」「献立が決まらないから」などです。
 また求人サイト「はたらこねっと」運営のディップがサイト利用者を対象に行ったアンケートによると、夫、妻ともに週5日勤務、1日7時間以上勤務する人は、夫が71%、妻が65%。勤務日数と勤務時間に夫と妻でそれほど差はないのに、夫婦間の家事分担の割合は、妻が67%、夫が9%とその差は大きく、10%は、家事を一緒にすると答えています。男性も家事をやるようになったとは言え、現状はまだまだこんなものです。
 厚生労働省によると、2017年の共働き世帯は、専業主婦世帯の1.85倍にまで増えているといいます。ミール・ソリューション、HMR(ホーム・ミール・リプレイスメント)という言葉が米国から入ってきたのが1990年。そこから30年近く経っても、未だ、家庭の料理は解決されず、妻の負担は軽くはなっていないようです。まずは、夫も家事の主役であることを自認すること。そのうえで、できないことは無理をせずに外部化すること。割り切ることも、生活を楽しむためには必要です。そして、食の提供を生業としている私たちには、多様な解決策を用意することが求められています。

日本人は睡眠難民 !

 日本人の約6割が睡眠に満足できず、85.2%が「睡眠改善に関心がある」と答えています。
 実際、日本人の平均睡眠時間は主要28ヵ国で最短。男性の平均睡眠時間は6時間半、女性は6時間40分で、世界の平均睡眠時間と比べると30分以上短いという調査結果があります。加えて、睡眠中の体の動きや心拍数から分析する睡眠の質に関しては、5段階で世界平均が3.2だったのに対し、日本人平均は3.0。ほぼ真ん中の数値ですが、28ヵ国中25位です。
 理由のひとつが、スマホ。スマホを寝床に持ち込むことがあると答えた人は、30代で男性78.4%、女性82%、40代で男性55.1%、女性57.4%、50代で男性34%、女性43.6%です。入眠前のスマホ利用が睡眠障害に繋がるというのは知られた話。それでも手放せない生活者のなんと多いことか。加えて、NHK放送文化研究所の「国民生活時間調査」によると、最近は早起きの習慣が広がっているとのこと。働き方改革で企業が残業を禁止する中、仕事を終わらせるために出社時間を早める、‟朝型”シフトの生活者が増えているようです。仕事のために早起きし、スマホを見ながら夜更かしをする―。自ずと睡眠時間は短くなります。
 キリンビバレッジは、機能性表示食品飲料「キリンサプリ」シリーズから快眠をサポートする「ヨーグルトテイスト」を発売しました。味の素の睡眠サポートサプリ「グリナ」や、エスエス製薬の睡眠改善薬「ドリエル」も、販売は好調です。生活者の景況感が改善傾向にある昨今。仕事に遊びに疲れている生活者の“睡眠の量と質”へのニーズは、ますます高まっています。

久しぶりに旧知のシェフに逢いに

 久しぶりに旧知のシェフの料理をいただきに、五反田のフレンチレストラン「ヌ・キ・テパ」に行きました。シェフの田辺氏とは、かれこれ30年のお付き合いです。
 「ヌ・キ・テパ」は、ドイツ大使の邸宅として使われていた一軒家を改装したおしゃれな空間ですが、田辺シェフが独立して初めてオープンした恵比寿の「あ・た・ごおる」は、居酒屋の居抜き物件。カウンターと小さなテーブル席が4つくらいの小さな店でした。厨房はカウンターの中だけです。
 毎週、週によっては毎日のように通っていただけに、思い出も数知れず。食通には有名な店だっただけに連日大賑わいで、雨の中、ビールケースを椅子代わりに、ビニール傘をさしながら食べたこともありました。料理本の撮影をしたときのこと、田辺シェフがオーブン焼きをするというので、ちょっと大きめのオーバル型のグラタン皿を用意しました。すると田辺シェフが「これオーブンに入らないよ」と言うのです。オーブンに入らないなんてと思い、カウンターを覗いてみると、小さな家庭用のオーブントースターが。「だって元は居酒屋なんだから、オーブンなんてないよ。いつもこれで焼いてんだから」とあっけらかん。驚くやら、おかしいやら。田辺シェフらしいエピソードとして忘れられません。
 田辺シェフは、肉は料理しません。素材は魚介と野菜のみ。そして土です。指定した場所からおいしそうな(?)土を掘り出し、それをオーブンで焼いて殺菌。水で煮出して土のブイヨンを作ります。これがソースになったりデザートになったり。おいしい土はおいしい水を作り、おいしい野菜を育てます。それが土を料理に使う理由なのだそうです。

この春大阪にオープンした話題の3業態

 先週、大阪の話題の新スポット3か所を見学に行きました。「無印良品・イオンモール堺北花田(堺市北区)」「キッチン&マーケット ルクア大阪店(大阪市北区)」「ミオえきッチン(大阪市天王寺区)」です。グローサラントの風に乗ってか、それぞれが、それぞれのカタチで、物販と外食の融合に挑戦しています。
 「無印良品」は、「無印良品」の世界感で衣食住を提案。それが何の違和感もなく融合しているところが流石です。青果、鮮魚、精肉の生鮮3品が放つ生命力と存在感、美しさが、整然とした空間の中で見事に演出されています。無印良品だからやれること、やるべきことが、まだまだたくさんあると思うと、今後の動向がとても楽しみです。
 「キッチン&マーケット ルクア大阪店」は、その名の通り、路地のマーケットのよう。もちろんおしゃれに演出されてはいるのですが、いい意味での猥雑さに地下の暗さが加わって、一風変わった雰囲気が醸し出されています。平日の昼下がりでもお客様で賑わっているのは、オープン景気もあるのでしょうが、やはり駅隣接という立地の強み。今後、お客様がどのように利用されるかによって、中身も変化するでしょう。それを見たいと思います。
 「ミオえきッチン」は、フードコートに生鮮3品がない食料品店が併設された構成。外食店の料理もパック売りの弁当・惣菜も、飲食スペースでいただけます。こちらも駅ビルという好立地。オープンスペース的な気軽さが、立地に合っていると思います。ただそれだけに、食料品店など物販部門においてどの程度の売上が期待できるのかは、未知数だと感じました。

「働き方改革」で生まれている新たなニーズ

 「一億総活躍社会」の実現を目指し、政府主導で進められている「働き方改革」。「一億総活躍社会」とは、「50年後も人口1億人を維持し、職場・家庭・地域で誰しもが活躍できる社会」のことなのだそう。“50年後も人口1億人”というかなり高い目標に向かって政府がまず進めたのが、労働時間の短縮と働き方の多様化です。実際、退勤時間を早め、在宅勤務を認める企業が増えています。
 早い時間に帰宅すれば子どもが生まれ、男性も育児に参加することで、女性は子どもを生みやすくなる・・・とでも考えているのでしょう。政府の思惑通り、子どもが生まれ、人口が増えるのか定かではありませんが、市場にはすでに変化が生まれています。
 まず、夫婦で働くパワーカップルの世帯年収は、明らかに上がっています。食材は、週末にまとめ買いをするので大型冷蔵庫が売れ、週末まとめ洗いをするので、大型洗濯機が設置されたコインランドリーが人気になり、市場は一気に拡大しました。日々の食事に惣菜を利用する生活者が増えたことは、エンゲル係数上昇の一因になっています。
 早く帰宅するおとうさんに人気なのが、高アルコールのビール系飲料や缶チューハイです。残業代が減って収入は伸び悩み。安くてしっかり酔えるアルコール飲料が、ニーズにぴたりとはまりました。
 在宅勤務の生活者が頼るのは、仕事ができるスペース。星乃珈琲は、落ち着いて仕事ができる場所として利用する来店者が増え、15分100円からと気軽に使えるスペースや保育施設が併設されたスペースなど、さまざまなコワーキングスペースも登場しています。

美腸活。かつてデトックス、今はクレンズ

近年、腸をきれいにする美腸、腸を整える腸活に、老若男女問わず、注目が集まっています。腸内環境の研究が進み、自律神経が腸の動きを制御するだけでなく、腸の状態が脳に影響を及ぼすという双方向の関係が明らかになってきて、それも腸に関心を持つきっかけになっているようです。
 2006年、「デトックス」という言葉が、食市場のトレンドキーワードに挙がりました。日本語では「体内浄化」と訳します。体内に溜まっている重金属やミネラルなどの毒素、広くは小腸や大腸に溜まったカスまで、とにかく体内に溜まっている悪いものをすべて排出して健康になろうという発想です。当時、男女問わず雑誌の「健康になる」「美しくなる」「痩せる」の切り口は、ほとんどこの「デトックス」に集中していました。
 展開としては、サプリメント、腸内洗浄、マクロビオティック、漢方薬膳、週末断食などさまざまで、今も女性を中心に流行っている、ピラティスやホットヨガ、岩盤浴なども、このデトックスの発想から人気になったものです。
 そして今年は、体内浄化が「クレンズ」というキーワードになって登場しています。体に溜まっている不要なものをいかに効率よく排除するかまではデトックスと同じですが、クレンズして体内環境を整えるだけでなく、体をより強く、美しくする成分を同時に摂取する‟クレンズ&エンパワーメント”が今年の特徴。食物繊維と一緒に、健康や美容によいとされる食品を摂取することが勧められています。