最近、恵比寿で人気です。“天ぷらバル”

 東京恵比寿では今、カジュアルな天ぷらバルが人気です。いずれの店も、定番の素材から創作的なネタまで、揚げ立てがリーズナブルにいただける、新種の天ぷら屋さんです。
 その中の1店が、「喜久や」。カウンターが板場を囲む立ち飲みスタイルですが、雰囲気は女性向き。飲み物は、スパークリングから日本酒、焼酎と揃い、この時期うれしいヒレ酒もあります。人気のネタは、大根、エビ、イカ、カキ、万願寺。エビ以外はふたりでシェアできる大きさで、200円から300円台。大根には、おでんだしが浸みています。タラ白子、辛子明太、ウニも天ぷらになり、パクチーはかき揚げになって提供されます。
 カウンター越しの板場では、天ぷら職人が、オーダーが入ったネタを次々に揚げていきます。江戸時代の寿司が“つまみもの“だったように、揚げ立ての天ぷらを立ち飲みでいただく。長っ尻はいけません。さっと頼んでとっとと飲んで食べて出る。そんな使い方がぴったりの店です。因みに、13坪で月商630万円。2020年までに首都圏を中心に22店の出店を目標にしているそうです。
 他にも、創作系のネタをカリフォルニアワインと楽しむ「EBISU FRY BAR」や、イタリアンやスパニッシュをベースにした料理が揃う「テンプラ ワバル」など、ユニークな天ぷら屋さんが続々オープンしています。
 家庭で揚げ物をしなくなり、トンカツやから揚げのFFが急増しています。天ぷらも同様。食材が多い、カラッと揚がらない、揚げている間に食欲がなくなる、揚げている人は揚げ立てが食べられない。揚げ物の中でも天ぷらは難度が高い料理。吟味されたネタを揚げ立てで、しかも手頃な値段で食べられるのなら、ウケないはずがありません。

健康志向のスーパー「ビオラル」。メッセージ力のある売り場作りを

 ライフコーポレーションが6月、大阪・西区にオープンさせたBIO-RAL(ビオラル)。“心も身体も健康で美しく豊かな毎日を過ごしてもらいたいと願うスーパーマーケット”をコンセプトにした新業態です。「オーガニック、ローカル、ヘルシー」と「安心、トレンド、高質」をテーマに、通常取り扱う商品を最低限にし、その分、自然派や健康志向の商品を増やしているのが特徴です。
 この種の業態の難しさを見事に表しているのが、野菜コーナー。「通常の野菜」「オーガニック」「農家さん直送」  
「特別栽培・エコファーマー」と4つの種類で展開されています。「農家さん直送」はほぼ和歌山県の農家から直送されていて、栽培者の顔写真がパッケージに貼られています。そこになぜか群馬県産のよく見るパッケージのほうれん草が。価格は、198円。近くにもう1種、「飛騨ほうれんそう」と書かれたものが258円で売られています。POPに小さく「エコ農産物」とあるだけ。「野菜でエコってどういう意味?」そう思う生活者は多いでしょうね。「農家さん直送」コーナーに、フツーのほうれん草があるのは、その時期、契約農家で収穫できなかったものに関しては信用できる地域の農協から仕入れているからだそう。それなら、「通常の野菜」コーナーに並べたほうが、お客様が混乱しないと思うのですが。
 お客様に、商品を通して安全安心と健康を届けたいという気持ちはあっても、それを的確に伝えるのはとても難しいことですし、商品を安定的に供給することも同様に簡単ではありません。モノは調達できても、伝える力がないと売れないのが、この手の商品。売り手の思い込みが強いほど、お客様との温度差が生まれがちです。もう一度スタートラインに戻り、商品自信が強いメッセージを放つような売り場作りを再検討すべきでしょう。

フランスの冷凍食品専門店 Picard 日本1号店がオープン

 フランスの冷凍食品専門店「Picard(ピカール)」の日本1号店が、11/23に東京・青山の骨董通りにオープン。早速、行ってみました。
 店内は、壁際に縦型、中央に置き型の冷凍ショーケースを配しただけのいたってシンプルな造り。装飾類は一切ありません。パッケージングされた冷凍食品がショーケースに並べられているだけです。ショーケースのガラス越し、しかも曇っているので、魅力的なはずのフランスブランドの商品パッケージがよく見えず、発せられるアピール力は強くありません。
 商品は、アペリティフからメインディッシュになる肉や魚の料理、パスタやラザニア、パン、デザート、冷凍野菜などの素材系まで約200種。ひとりのランチ、家族との夕食、友達を招いてのパーティ。どんなシチュエーションにも対応できるバラエティ豊かな品揃え。しかもすべてが凝った料理で、見た目も美しく、オシャレ感満載です。実際、ランチ時には近隣のOLたちがパスタなどを求めていました。
 私もランチ用に“白トリュフとシャンピニオンのタリアテッレ”と“クロワッサン(10個入り)”を買いました。前者は500Wの電子レンジで7分加熱、後者は180度のオーブンで25分焼きます。価格は、両方とも780円。お気付きの通り、毎朝焼き立てのクロワッサンを食べたければ、30分早く起きてオーブンを温める習慣を身に付けなくてはなりません。ラザニアやグラタンなど、電子レンジでも加熱できますが、やはりオーブンで焼いた方がおいしく仕上がります。
 冷凍食品はレンチンか自然解凍。それが当たり前の日本において、オーブンで焼くという作業を、面倒と思うのか、優雅な過程と思うのか。食の付加価値がまたひとつ試されます。

野菜価格高騰で有り難味が増すカット野菜と冷凍野菜

 秋の台風、長雨、日照不足が原因で、野菜価格が高騰。11月には落ち着くと言われていましたが、なかなか下がりません。
 よく行くスーパーの場合、未だに、大根や人参、ねぎ、ピーマン、じゃが芋などは割高感を感じますし、レタスは1人1個までなど、個数制限が付くこともあります。一時期よりは下がってきましたが、白菜も例年より高く、ねぎの高値も手伝って鍋料理の選択にも知恵を要します。ニラともやし、キャベツで作るモツ鍋とか、野菜は大根のみのおでんとか。葉野菜が高いとき、子どもがいる家庭の強い味方が、カレー鍋やトマト鍋やシチュー鍋。でも、じゃが芋や人参がなかなか安くならず、今のところ、貢献度はあまり期待できません。
 こんなとき有り難いのが、カット野菜や冷凍野菜です。ちょっとした付け合わせや副菜の一品として、またラーメンのトッピングなど、用途は多岐に渡ります。冷凍のほうれん草やブロッコリーは、どうしても水っぽくなり、軟らか過ぎるのですが、それをどう料理すればおいしく食べられるのか。生の野菜を使っているときには考えもしなかった発想が生まれます。
 そうそう、ピーマンが高かったので、味の素のCook Do青椒肉絲用のカット野菜を購入しました。が、中国産筍水煮の量が茨城県産ピーマンを凌駕していて「竹笋(中国語で筍)肉絲」に。カット野菜会社もピーマン価格の高騰に頭を痛めているのでしょうね。