飲食店の値上がりと安い外食の限界

 食料品の値上がりが止まりません。食用油と小麦粉の価格が上がれば、ほとんどの加工食品と飲食店のメニューが値上がりするのも無理はありません。
 弊社近くの、青山骨董通りの行きつけの飲食店も値上げラッシュです。
 カジュアルイタリアンの「YPSILON Aoyama(イプシロンアオヤマ)」のランチは、1200円から1350円に。台湾家庭料理の「ふーみん」のランチも、平日は10~50円、土曜日は10~100円の幅で値上げされました。「蕎麦青乃」は、かつ丼や親子丼、しらす丼など丼物とそばまたはうどんのセットが100円程度値上がりしたほか、私のお気に入り“鍋焼きうどん”はエビ天1本の“並”と2本の“上”があったのに、エビ天が大エビ天1本になり、“並”はなくなりました。上の金額への大きな引き上げです。
 致し方ありません。店側も苦渋の選択です。この時世においては、客側も充分に理解ができることです。が、感情的には厳しくなるもの。再来店客の口コミなどを見ると、この値段でこの料理なら再々来はないといった内容のものもあります。値上げは料理の現状維持のためであり、値上げ分は食材費に吸収されます。値上げをした分、料理の質や量がアップできるわけでも、店側が儲けているわけでもありません。
 私たちは、日本人の正直さと勤勉さとやさしさと器用さが生み出す安全でおいしい外食を、どの先進国と比べても比較的安くいただける幸せを当たり前のように享受してきました。しかし日本人力だけではどうしようもない現実が来ていることを、東欧で起きている惨状と苦難、それが及ぼすさまざまな影響に重ねるカタチで、思い知らされているように感じるのです。