昭和懐かしハムカツサンド

 渋谷駅で小腹が空いて「渋谷スクランブルスクエア」へ。何かちょっとしたものを買って帰ろうと思い目に付いたのはサンドイッチ専門店のハムカツサンド。「人気2位」とあります。1位は「エビカツサンド」、3位は「カツサンド」。トレンドの“萌え断”分厚いフルーツサンドが並ぶ中、カツが人気のようです。

 ハムカツサンドのフィリングは、卵サラダ、レタス、ハムカツ、ツナマヨ。盛り込み過ぎで、ハムカツの風味が楽しめません。ハムカツがとてもやさしい味なので、余計にです。   

 私好みのハムカツサンドは、昭和の時代、商店街のお肉屋さんが揚げていた分厚いハムカツを、何も塗らない食パンにはさんだもの。プレスハムやチョップドハムで作ったハムカツです。でもそんな昔のハムカツがなかなか探せないのです。今は、ロースハムが主流ですから。そこで、チョップドハムを買って自分でハムカツを作ることにしました。塊のチョップドハムは、ネットで購入します。タイル貼りの壁のような凹凸のある、濃いオレンジ色のビニ―ルに包まれた、アレです。

 因みにチョップドハムとは、塩漬けした豚や牛、馬や羊、ヤギ、ウサギの肉や魚肉に、デンプン、小麦粉、コーンミールなどのつなぎと香辛料や調味料を加えて練り、整形、燻煙、加熱したもの。豚のロースを塊のまま風味付けして乾燥、燻製、加熱したロースハムにはない雑味があり、それが特有のうま味に繋がります。

 高度経済成長初期の日本には、テレビや新幹線など、初めて経験する“感動もの”が次々に登場しました。食品も同様、初めて食べたおいしさの感動が舌に残っているのです。