政府の無策と飲食店への責任転嫁

 年明け早々「緊急事態宣言が再び発令か?!」の報道が流れ、7日、1都3県にとうとう発令されました。
 政府が出した緊急事態宣言の中身に、“???”と思った国民は少なくないと思います。飲食店とカラオケ店は20時までの営業時間短縮、20時以降の不要不急の外出は控えるようにとのこと。逆の表現をすれば、20時までなら外出して飲んで騒いでもいいということ?と。私が通っている習い事の先生は、「19時クラスはできるけど、20時クラスはどうしましょう」などと悩んでいました。発したメッセージをこんな風に受け取る国民がいることを、政府は予想できていたのでしょうか。まさしく、緊急事態宣言の「目的」と「手段」の整合性が取れていないからではないでしょうか。
 そして今度も協力を求められているのは、飲食業界。飲食店には、十分か否かは別として補償金が入ります。でも、食材や飲料、酒、氷、おしぼり、生花などを飲食店に納入する業者には何の補償もありません(12日時点では給付金を検討中)。私の知る限り飲食店は、感染者を出すまいと一生懸命、感染予防に取り組んでいます。客側が、そのような店を選び、節度をもって飲食をすればいいだけの話だと私は思います。
 緊急事態宣言が発令された7日、都内の新型コロナウイルス感染者は過去最多の2447人、重症の患者も過去最多の121人でした。専門家は医療崩壊寸前だと言います。このままの状態が続けば10人に1人が新型コロナウイルスに感染し、でも治療は受けられないという当然起こり得る事態を、政府はなぜ強くアピールしないのか。無策ゆえにスピード感に欠け、出た結論が飲食店への再びの責任転嫁。憤懣やるかたない。