増えるスーパーのアウトパック化

 外食市場では、カスタマイズできることが、最上のサービスであり、強力な武器になっています。サラダショップしかり、サンドイッチショップしかり、鍋専門店しかり、パンケーキ屋ですら、生地からトッピング、ソースまで選び放題の店も登場しています。
 一方、最近自由が利かないのが、スーパーです。精肉や惣菜をアウトパック化している店舗が増え、不自由極まりないのです。先日、夫の実家に親戚が集まるので焼き豚を作ろうとスーパーへ。500gの豚肩ロース肉が欲しかったのですが、ありません。聞くと、明日なら準備できるとのこと。翌日に受け取りに行くと、薄い塊。厚みのある塊が欲しかったのですが。バックヤードに行ってみると、以前は合ったスライサーなどの加工機器は、きれいに片づけられていました。これでは、店頭でのお客様の注文には応えられません。
 惣菜も同様です。食品メーカーやスーパーのパックセンターがパッケージ化してお店に納品するアウトパック商品が増えています。そのため、好きな料理を必要な量だけ取れるバイキングスタイルの惣菜売り場は少なくなっていますし、メニューは定番料理が増えて店ならではの個性的な商品は見られなくなりました。
 人手や衛生の問題を解決してくれるアウトパックですが、商品は画一化されます。お客様の要望には応えられず、店のオリジナリティは希薄になります。スーパー各社は、PB商品の展開に注力していますが、これも同様。客側にとっては、選ぶ楽しさやお気に入りの味を失うことにも繋がります。
 外食市場は今、面倒だと避けてきたことに積極的に取り組むことが求められています。それに対してスーパーは、時代の流れに逆行しているように思えてなりません。