枯渇する海洋資源。持続可能な利用推進を

 年々、日本の漁獲高が低下し、価格が上がるサンマ。先月13日から札幌市において、サンマなどの資源保護について話し合う国際会議が始まり、日本政府は初めて、国と地域別の漁獲制限を提案しました。加盟国は、日本や中国、台湾など8つの国と地域。サンマをめぐっては、北海道や東北などでの水揚げ量は減少している反面、中国の年間漁獲量は2012年からの4年間で約30倍に激増、台湾の年間漁獲量も4年連続で日本を上回っています。日本の水域に到達する前のサンマを太平洋沖で乱獲しているのではないかと懸念されているのです。日本の提案に対して、中国も台湾も反発。合意には至りませんでした。
 一方米国・NY。5/31、サスティナブルと地産地消をテーマに掲げる寿司店「マヤノキ」がオープンしました。この店は、カリフォルニア州・モントレーベイ水族館が開発した、持続可能な魚介類を見分けるアプリ「シーフードウォッチ」を使用。ネタに表示しています。魚介の種類を入力すると、絶滅危惧種なら赤、現状で問題ない種は黄、まったく問題ない種には緑のマークが出現。同じ種類でも、産地によってマークの色は異なるといいます。これに則り、「マヤノキ」では、赤マークの魚介類は決して使わず、代わりに、NY近郊や東海岸産の新鮮なネタを提供しています。
 日本においても、漁船の網にかかっても無名のため捨てられてしまう未利用魚を寿司ネタに利用。珍しさや希少性が話題になって繁盛している寿司店があります。店側にとっては食材費が抑えられ、客側にとっては新しい出会いがあり、両得です。
 きっと世界中のどの国よりも海の恵みを享受し、それを食文化にまで昇華させた日本。今こそ、枯渇の一途を辿る海洋資源の持続可能な利用を推進する模範国となるべきではないかと思います。