介護食向け調理家電と健康維持に役立つトイレ

 先週に引き続き、今年1月、オンラインで開催された「CES」で紹介された“食と健康”に関するテクノロジーを紹介します。
 ひとつめは、パナソニック発の技術・アイデアで次世代を牽引する事業を育成・創出することを目的として設立したBeeEdgeの投資事業会社「ギフモ」の「DeliSofter(デリソフター)」。ステーキや煮物など料理を入れてボタンを押すだけで軟らかくなるという、介護食向けの調理家電です。詳しい構造は分かりませんが、おそらく加圧蒸気によって軟らかくすると推測します。喫食者の状態に合わせて、歯茎で潰せる段階まで軟らかさを調節できます。何よりも有り難いのは、軟らか食を別に調理しなくてもいい点。家族の料理を1人前取り分けて「DeliSofter」にセットするだけです。難を言えば、過加熱になるため野菜などの色が悪くなること、ステーキと野菜の付け合わせを一緒にセットした場合、堅い食材に合わせるため、野菜が軟らかくなり過ぎること。更なる進化を求めるとしたら、%を指定すると余分な塩分が抜ける機能があれば、より介護食として完璧かなと思います。難しいことだとは思いますが。
 もうひとつは、TOTOの「ウェルネストイレ」。その名の通り、健康維持に役立つトイレです。トイレの便座と皮膚が接することを利用して血流データを、また尿や便からの臭気データを収集。健康に関するレコメンドをスマートフォンを介して利用者に伝えることを想定しています。今はまだコンセプトレベルですが、数年内の実用化を目指しています。