お花見の季節。デリバリーで“桜食べ” ?

 3月21日春分の日、東京では桜の開花が宣言されました。22日のワイドショー番組では、まだ咲いていない桜の木の下で早くも宴会が行われていて「花見」ならぬ「枝見」と紹介されていました。四季のある国に生まれた性なのでしょうか。日本人は、景色を愛でながら飲み食いすることが好きな民族だと思います。
 子どもが小さかった頃、我が家も毎年、「お花見弁当」を作って千鳥ヶ淵や代々木公園に行きました。まだ肌寒さが残る中、お弁当を広げると、風に舞う桜がおむすびや厚焼き卵に彩りを添えてくれました。若者たちのグループは、もっぱらコンビニやスーパーの惣菜の持ち寄り。ピザをデリバリーし、カクヤスからビールを運んでもらうちゃっかり組もいて、今風だと思ったものです。
 デリバリーと言えば、都内ではここ1年、ウーバーイーツの四角いバッグを背負って自転車を走らせる男性の姿を、とにかくよく見掛けるようになりました。以前は、ピザや寿司など、デリバリーできる料理が限られていました。でも今は、デリバリーシステムが整っていますから、飲食店は選び放題。どこに居ても、どんな料理でも、オーダーできます。代々木公園の桜の花の下、テーブルを用意してフレンチのフルコースを楽しむことも可能です。
 簡易椅子を持って好きな場所に行き、景色をアテに酒を飲む「街飲み」がひそかに流行っているとか。今は、桜食べ、海食べ、紅葉食べと、「四季の借景食べ」が楽しめる時代なのです。