年代や生活状況に合わせた“大人の食育”を

 メタボ(メタボリックシンドローム)という言葉がすっかり定着。男性もお腹回りを気にするようになり、ご飯の量を減らしたり、コンビニでサラダを求めたり、ジョギングをしてみたり。ここ10年で年代性別問わず、ヘルシー志向が一気に高まったと思います。
 そんな中、「大人の食育」が注目されています。ひとり暮らしを始める若者、外食が多い中年男性、ダイエットに熱中しやすい女性、ひとり暮らしで栄養不足になりがちな高齢者など、それぞれの年代や生活状況に即した食事の摂り方を会得することは、とても大切だと思います。加齢に伴い、基礎代謝も消化機能も低下します。また女性は更年期を境に血圧が上がったり、骨がもろくなったり、気を付けなくてはならないことが多くなります。
 企業活動としては、カゴメが“出張食育講座”を開催。今秋から事業化しました。またキユーピーは介護施設で食育イベントを行い、野菜に雑穀などを組み合わせた“ベジボウル”を提案しています。
 米国NYには、大人向けの食育教室を開催しているレストランがあります。オーナーシェフの“健康な食習慣を伝えたい”という思いから始まったもので、シェフがカウンターで食材の効能や調理法をレクチャーしながら3コースの料理を作り、目の前の客に提供します。テーマは、‟発酵食品”や‟だし”、‟きのこ料理”など。例えばきのこ料理なら、しめじを使って菌類の効果やうま味について説明。みそやしょうゆ、いぶりがっこといった日本の食材も多く登場するといいます。こちらは、“大人の”というより、“大人っぽい食育”ですね。