ドンキは新しいスーパーのカタチを創れるのか

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は、総合スーパーユニーの全株式(60%)をドンキホーテHDに売却。これによりユニーは、ドンキホーテHDの完全子会社になりました。
 両者は、昨年8月に業務提携を結び、11月にドンキホーテHDはユニーに40%出資したばかり。1年を経たずして100%株主となったわけです。実際、出資後のドンキの行動は早かった。3カ月後には、ユニーが展開する総合スーパー「アピタ」や「ピアゴ」の中から、売り上げが不振だった6店舗を一気に業態転換。「MEGAドン・キホーテUNY」としてリニューアルオープンさせ、売り上げを1.9倍に伸ばしたと言います。ドンキはまた、都内のファミリーマート3店舗で実験的に共同運営を始めていて、こちらも売り上げは、従来と比べて1.25倍のペースが続いているようです。
 ドンキと言えば、通路にまではみ出し、天井まで積み上げられた陳列手法。どこに何があるのか分からないことが却って、こんな所にこんなものがという驚きに変わるワクワク感が魅力です。安売り価格のPOPもドカーンと大きく、多くのスーパーの整然とした店内とは印象が異なります。商品構成や価格設定は本部ではなく各店舗が地域に合わせて決定。PB偏重ではなく、その時々で売れそうな仕入れ品を多数揃えて“編集”することを重視している点も、利益の集約と効率化を優先させるスーパーの施策とは逆行します。
 ドンキのユニークな戦法がユニーを復活させるだけでなく、不振に悩むスーパー業界全体の変革にまで繋がっていくのか、これからが楽しみです。