男だって甘いもので癒されたい。増えるスイーツ男子

 お菓子やケーキが大好きなスイーツ男子が増えているようです。マーケティング会社マーシュが5月に実施した調査によると、会社で仕事中や休憩中にお菓子を「毎日」または「よく食べる」男性はそれぞれ25%と23%で、合計すると半数近くに上ります。
 私が、甘いもの好きな男性が目立ち始めたなと思ったのは、2005年、夜の西麻布でのこと。お酒を飲んでいたと思われる男性たちが、ホブソンズ(アイスクリームショップ)の前でアイスを食べている光景をよく見掛けるようになったことがきっかけでした。“お酒の〆が、ラーメンからアイスに変わった!” と思った瞬間です。この年、森永乳業から「MEN’S バニラ」が発売されました。またグリコ乳業(当時)からは10-20代の男性をターゲットにした「とろーりクリームonプリン」が発売されています。この商品、開発のきっかけは“ビッグサイズ”の「プッチンプリ」です。元々は、お腹が空いた女子高校生向けにと開発されたのですが、ボリュームがあっていいと、夜のコンビニで男性を中心に売れました。ならば、男性が好むプリンを作ろうということで調査したところ、男性は、こってりとした甘さが好きということが判明。“量と味にこだわるメンズプリン”として、「とろ~りクリームonプリン」ができたそうです。その後、男のチョコレート、男のゼリーなど、男性をターゲットにしたスイーツ商品がたくさん発売されました。
 およそ半世紀前、「男は黙ってサッポロビール」というテレビCM がありました。男のやせ我慢を美学としてとらえていたと思います。が、時代は徐々に、男性にやせ我慢を求めなくなりました。“男だって癒されたい。酒ではなくスイーツで”。潜在的ニーズが顕著になったのが、2005年だったのかもしれません。