販路に合わせた商品開発を

 コンビニで売れている「サラダチキン」。セブンイレブンは、冷蔵の売り場で、「サラダチキン」と味の素のレトルトスープ「サラダチキンで作る参鶏湯」や「サラダチキンで作る濃厚ミネストローネ」を並べて販売。ちぎったサラダチキンとスープを器に入れてレンジで温めるだけで本格的な味わいが楽しめることを提案しています。2016年秋に試験販売したところ、並べて陳列した店は別々の売り場で販売していた店に比べてサラダチキン、レトルトスープともに売り上げが伸びたといいます。特にレトルトスープは常温売り場だけに置いた店に比べ、販売数量は12倍に。このほか、サラダチキンの棚の近くにカットサラダを陳列することも勧めています。
 商品名に“サラダチキンで作る”というフレーズがあるがゆえの展開です。コンビニで売られているレトルトカレーやカップラーメンも、サラダチキンを加えてアップグレードさせる提案はできますが、店頭販促だけでは伝えづらいでしょう。商品名に“サラダチキンで作る”とあれば、お客様には分かりやすく、何より、店舗の協力も得やすいと思います。
 スーパーマーケットは長らく、メニュー提案による組み合わせ販売を提案してきました。が、それがなかなか奏功しないのは、青果、鮮魚、精肉、日配など、部門の壁があるからです。温度帯の違うものは同じ場所に並べられないなど、制約もあります。コンビニの場合、店舗の裁量でいかようにも販促はできます。販路に合わせた商品開発がますます重要になっています。