欠勤のペナルティと恵方巻のノルマ。明確化したコンビニの問題

 先週、コンビニに従事するアルバイトに関して、ふたつの問題が話題になりました。ひとつは、アルバイトを休んだ女子高校生に対し、代わりの人材を補充できなかったという理由で休んだ時間分の報酬と同額が、ペナルティとして支払われるべきアルバイト代から差し引かれたこと。そしてもうひとつが、恵方巻の販売ノルマです。アルバイトの学生は自分、家族、友だち、先生にまでお願いして何とかノルマをこなすとか。それが叶わない場合は、自ら購入。食べ切れないものは捨てていたと言います。
 労働基準法に照らすと、ペナルティの額が法定金額を超えている、罰金は報酬と相殺してはならないなど、明らかに店側は違反をしています。何より、アルバイトの学生に人員の補充をする義務はありません。しかも、もし運よく代わりの人が見つけられたとして、オーナーは、面接や労使の契約など何の手続きもなく、その人を即日働かせるのでしょうか。現金のやり取りがあり、食品を販売している店で。余りに安易ではないでしょうか。もちろんそこには、常態化する人手不足に悩むコンビニオーナーの現状があり、同情もしますが。
 さらに今回、コトが大きくなった理由に、コンビニ本部の対応のお粗末さがあります。「フランチャイズ店がやったことだから本部は関係ない」といった態度は、当事者はもちろん利用しているお客様に対しても、いい印象を与えないことは明らかです。多くのお客様はブランドを信用しているのであって、フランチャイズ契約をしている会社または個人を知りません。
 恵方巻の問題も、さもあらんと容易に想像できてしまうことが、却って悲しく思います。クリスマスケーキ、おせち、恵方巻と、コンビニのイベント商品は、即ノルマ商品になります。この問題が明確化した今年、私の中で恵方巻は、縁起のいいものではなくなってしまったように思いました。