小売りから外食までセルフレジ化が進んでいます

 米国のスーパーマーケット業界では、セルフレジを撤去する動きが活発化しています。約2230店を展開するアルバートソンズは、ほとんどの店舗からセルフレジを撤去する予定です。理由は、買い物客と面と向かって対話する形が好ましいから。急ぎのお客様や買い上げ点数が少ないお客様には、エキスプレスレーンを増やすことで対応します。
 一方日本では、すかいらーくが、東京都心にある「ジョナサン」「ガスト」「バーミヤン」で1/17から、試験的にセルフレジの導入を始めています。ランチ時にレジが混んでお客様に迷惑をかけている、レジで不要になった人手をフロアに回し、接客や片付けなどのサービス向上に繋げられる、というのが理由です。
 セルフレジは、既に導入が進んでいる食品スーパーや量販店に加え、マクドナルドやアパレルのジーユー、無印良品、CD販売のHMVなど、FF業界や小売業界にも広がっています。人件費の節約と釣り銭の間違いをなくすことが目的です。
 あるスーパーで聞きました。長年レジ打ちをしている女性がいて、お客様とはすっかり顔馴染みだそうです。おばあさんが安売りに気付かず割高な商品をカゴに入れていたら、「今日はもっと安いのがあるわよ」と教え、いつも夫婦で来るおじいさんが一人で来店したら「奥さんは?」と聞き、病気だと知るといたわりの言葉をかける。だから、高齢のお客様の多くがレジの女性に会うことを目的に来店するのだそうです。そんなことされたらレジが混んで仕様がない、とお思いになる方も多いでしょうね。
 高齢者がセルフレジに戸惑えば、セルフレジとてスムーズには捌けないでしょう。やはりコミュニケーション重視とスピード重視の両方のレジがあるといいですね。