“歌う”だけじゃない 今どきカラオケ事情-1

 つい最近、カラオケチェーン大手のシダックスが、全体の約3割の店舗を閉鎖すると発表。SNSで人と繋がるイマドキの若者は、カラオケなんて行かないのかも・・・などと思っていたら、大間違い。ここ5年連続で市場はじわりと拡大しているそうです。その原動力となっているのは、なんとその「SNS」と「シニア」、「スターの卵」です。
 第一興商は、カラオケで歌う動画を専用のサイトに公開できるサービスを展開。YouTubeではちょっと恥ずかしいという人も、会員のみの公開だから参加しやすいといいます。「シニア」にも、カラオケ好きが増えています。同世代の仲間と、あるいはひとりだけで楽しむ人が増加。シダックスは、‟ゆったりランチ”と銘打ち、和食や丼メニューをルーム料金込みで安く提供したり、第一興商は、カラオケ機器を使って体操などのプログラムを実施したりと、シニア向けサービスを充実させています。また優勝者がプロデビューを果たした、テレビ東京の「THE カラオケバトル」の盛り上がりを見ていると、カラオケが「スターの卵」の孵卵器になっているのもうなずけます。
 さらに、住宅事情で友だちと騒げる場所がないという学生や、踊りや楽器の練習をしたいという人にも、カラオケ店はうってつけのようです。東京急行電鉄は、カラオケチェーン「パセラ」の個室を仕事場として提供するサービスを開始。カラオケ用のモニター画面をパソコンに接続すれば、会議室やプレゼンテーションルームとしても使えるといいます。
 新曲をいち早く取り入れ、コスプレ衣装もあれば、おひとり様対応も充実しているイマドキのカラオケ。機器メーカーと店側の企業努力が、市場を成長させています。