ネットと実店舗の融合を急ぐ楽天とヤフー

米国アマゾンはホールフーズ・マーケットを買収、中国のアリババ集団は生鮮食品スーパー「盒馬鮮生」を傘下において、それぞれ実店舗の展開を急いでいます。
一方、日本においても同様の動きが活発化しています。
楽天は、ウォールマート・ストアーズ傘下の西友と共同出資会社を設立。新サービス「楽天西友ネットスーパー」を始めます。西友の店舗から商品を届ける仕組みはそのまま。別に、ネットスーパー専用の物流拠点を設けます。楽天サイトですでに扱っている地方の産品や加工食品なども、ネットスーパーで買えるようになります。
またヤフーは、ソフトバンク、イオンと、ネットと実店舗の双方の店舗運営や商品販売で提携します。イオンは、通販サイト「イオンドットコム」や「イオンネットスーパー」を展開していますが、商品アイテムでは、ネット通販専門会社には到底敵いません。一方、ヤフーは「ヤフーショッピング」で多くの種類の商品を扱っていますが、大手メーカーの定番商品の価格などについては、大量に仕入れて販売するアマゾンに分があります。お互いに弱いところを補完するのが狙いです。
セブン&アイホールディングスは、アスクルと組んで、すでに生鮮食品の宅配を始めています。
アマゾンの脅威に対抗するために、実店舗の活用を急ぐ、楽天とヤフー。日本では実店舗を持たないアマゾンが展開する「アマゾンフレッシュ」は、配送料、配送までの時間に関しては、ネットスーパーのほうが断然利便性が高く、ネット通販での強みは見られません。品揃え、価格、利便性。3拍子揃うのはどこなのか。この先が楽しみです。