ネットと実店舗の融合を急ぐ盒馬鮮生と米アマゾン

 米アマゾンは、実店舗の展開を加速させています。昨年6月、「米ホールフーズ・マーケット」を137億ドル(約1.5兆円)で買収すると発表。いよいよネットと実店舗の融合が始まるのかと楽しみに思いました。
 でも、もっと先を行く企業があります。中国のネット通販最大手アリババ集団です。すでに傘下に生鮮食品スーパー「盒馬鮮生」を抱え、ネットと実店舗を融合したスーパーを展開しています。現在は、上海を中心に26店舗を運営していますが、今後は北京をはじめ、内陸部や南部の都市にも出店を広げる計画です。盒馬鮮生のすごいところは、店舗から半径3㎞までの範囲なら、ネットで購入した商品を30分以内に届けるシステムを構築している点。近隣の店舗で選任のスタッフが注文された食材をピッキング。専用バッグに入れて売場の端にあるクレーンに載せると、天井に張り巡らされたレールで運ばれ、バッグヤードの配送スタッフに届きます。ピッキングとチェック、発送係の分業が、配送時間30分というサービスを可能にしているのです。因みに配送料は、どんなに安い商品でも無料です。
 日本でもアマゾンフレッシュがネットスーパーを始めています。実店舗はなく、送料は1回の注文が4,000円未満だと500円。配送は2時間ごとの時間帯から選べますが、商品があれば最短で4時間、普通は翌日配送のようです。
 日本の場合、家庭の支出の1/4は食費。食市場は、やはり大きくて確実な巨大マーケットです。ネットスーパーが苦戦する中、アマゾンフレッシュは顧客獲得ができるのか。米アマゾン、盒馬鮮生と合わせて、今後も注目していきたいと思います。