カタチを変えることで機会創出を狙う基本調味料

 みそ・惣菜メーカーのヤマク食品(徳島)が、真空乾燥したみそを粗く砕いた「くだき味噌」を発売しました。料理に、みその香りや風味を付けるトッピング素材として開発。ソフトクリームやサラダ、パスタ料理や焼き魚にふりかけることを提案しています。
 みそ、しようゆ、酢、みりんなどの基本調味料の場合、販売量を増やすためには、合わせ調味料や簡便調理食品などの原料として使われるか、家庭においてそのまま利用される機会を増やすことが求められます。中でもみそは、家庭での消費量が減る一方。昨今の料理離れが拍車をかけています。そこで開発したのが、調味料ではなくフレーバー食品としてのみそ商品だったのでしょう。
 しょうゆをいち早くフレーク状に加工したのは、老舗しょうゆ蔵のかめびし屋(香川)です。17代目岡田社長は、西洋料理にもしょうゆを使ってもらいたくていろいろなシェフを訪ねたそうです。が、液体だからソースなどの味付けにしか使えないが色が悪くなる。固形ならトッピングに使え、黒い色もアクセントになると言われ、「シーズニングソイソルト」を思い付いたそうです。現在は、すり卸しながらふりかけるキューブ型のソイソルトも開発されています。また山川醸造(岐阜)からは、ムース状のしょうゆ「もこもこ泡醤油」が発売されています。ムービージェニックなだけでなく、泡が食材にしっかりとからむため減塩にも最適だといいます。
 使用頻度を上げるための働きかけは、用途を広げることが主流でした。レシピ提案がそれです。基本調味料は、カタチを変えることで機会創出を狙っています。