集客効果を狙って食市場でも広がる定額制

 スマホや音楽配信では当たり前になっている定額制。それが最近、食の分野にも広がっています。
 ガッツリ系ラーメンで若者に人気の「野郎ラーメン」。18~38歳の“野郎”世代限定という年齢制限はありますが、月額8,600円で3種類のラーメンから好みのものを1日1杯食べられます。月12杯で元が取れるので、3日に1度以上行けばお得です。西新宿のカフェ「コーヒーマフィア」は月額3,000円で、通常1杯300円のラージサイズコーヒーを無料で楽しめます、1日何杯オーダーしてもいいので、コーヒー好きの人なら、あっという間に元が取れます。フレンチレストランで定額制を導入しているのが、六本木の「プロヴィジョン」です。1名利用なら月額15,000円で、料理とワインなどのお酒を好きなだけ楽しめます。月に何度でも利用可能です。4名まで利用可能な月額30,000円コースもあります。利用回数が多ければかなりお得ですし、毎回会計をする手間が省けるので、接待が多い営業マンや部下とのコミュニケーションを大切にする経営者などには、人気のようです。月額性のフードシェアリングサービスも登場しています。「Reduce Go」は、月額1,980円で1日2回まで飲食店や小売店の余った食品を処分価格で購入することが可能です。
 客は、元が取れると思っているから定額制を選択します。一件、店側に損のように思われますが、一度来るか来ないかの客が、何度も足を運んでくれるようになるのですから、決して損だけではありません。客がいない店ほど寂しいものはありません。客が客を呼び、集客に弾みが付くこともあるでしょう。定額制は、生き残りをかけた外食店の集客の手段。それがファン化に繋がればという切望が、導入に向けて背中を押します。