増える情報量。広がる食環境の格差と強まるストレス

 給食受託サービスのミールケアが、幼稚園や保育園を対象に、AIを利用した給食献立提案サービスを始めます。
 サービスに加入すると、園には、保護者が入力した園児たちの情報を基に組み立てられた献立表が届きます。全園児、同じメニューにはなりますか、アレルギーのある園児には配慮したメニューが提供されます。一方保護者には、園児が園で食べる食材の情報が写真付きで送信されるため、アレルゲンの有無も確認できます。さらには、栄養バランスに優れた1ヵ月分の献立を提案。加えて、園で提供される料理の作り方を動画で見ることができるほか、園での食事から、夜、家で食べるとよい献立なども教えてくれます。まさに至れり尽くせりです。
 子どもの食事を真剣に考えている保護者にとっては、うれしいサービスでしょう。文字による献立表では知りえない、さまざまな情報が入手できます。いやな言い方ですが、園の給食をある意味、監視することも可能です。
 保護者の中には、子どもが食べた給食の料理と量、栄養を確認して、夕食の献立を考える人もいるでしょう。かなり大変ですが、使いこなせば、完璧な食生活を子どもに実践させることができます。情報は役立ててこそ価値があるもの。前向きな家庭とそうでない家庭。情報が手に入りやすくなればなるほど、子どもの食環境の格差は広がります。そしてもうひとつ言えることは、まったく無関心な人を除けば、保護者にとってはさらなるストレスが加わることになるのです。