ウェザーマーチャンダイジングは体感温度で

 先週後半、東京は10月並みの気温になりました。朝の空気はしっかり冷えていて布団を引っ張り出したぐらいです。
 気温を商品戦略に生かす手法が、ウェザーマーチャンダイジングです。冬から夏に向けて温度が高くなるにつれて売れるものを「昇温商品」、反対に夏から冬に向けて気温が下がるにつれて売れるものを「降温商品」といいます。例えば「昇温商品」には、カレー、炊き込みご飯、梅のおにぎり、和風きのこスパゲティ、冷やし中華、豆腐サラダ、酢の物、トマトのサンドイッチ、ビール、アイスなどが、「降温商品」には、天丼、のり弁当、ツナのおにぎり、ミートソース、カルボナーラ、煮物、おでん、カレーパン、肉まん、日本酒などがあります。暑くなると、冷たいもの、辛いもの、フレッシュ感があるもの、さっぱりとした味のものを求め、反対に寒くなると、温かいもの、コクがあるもの、食べごたえのあるものが欲しくなるようです。冬に備えて脂肪を蓄えようとしているかのようで、ヒトも自然の摂理の中に居ることを感じます。
 18度を切るとおでんが売れ始めるのは有名な話です。でも大事なことは、気温そのものではなく、体感温度です。35度近くの気温を度々体験している私の体は、30度を涼しいと感じ、20度は肌寒いと認識します。気温差があればあるほど体感は強くなります。この夏、豪雨の日が何日かありました。豪雨の前には、必ず急激に気温が下がります。天候不順な日が増える一方の日本。気温の変化を、季節や月で区切るのではなく、日々、そして1日の中で把握することが求められています。