食べログの信頼感が揺らいでいる

 グルメサイト「食べログ」の評価疑惑が、ネットや週刊誌で話題になりました。
 炭火で焼き上げるラムチョップが自慢の外食店「ウルトラチョップ」全4店の‟食べログスコア”が、あるとき一斉に3.0にリセットされたことから話は始まります。オーナーは、その前に食べログの営業担当者から、ネット予約を利用して欲しいなど売り込みを受けていて、それを断ったという経緯があります。3.0にリセットされたとき、営業担当者から連絡が来て「食べログのネット予約を使ってもらわないと検索の優先順位を落とします」と言われたとし、「仮にも飲食業界でビジネスするのならばもう少しお客様やお店や業界全体に資する気概はないのかねぇ…(苦笑)」とブログに綴っています。単なる偶然とも思われますが、4店舗すべてが一斉にという点が、疑惑を呼びます。この話題がネット上で拡散すると、食べログを運営するカカクコムの株価は急落。一時、前日終値比で10.68%安になる場面がありました。
 食べログは、あくまでも一般の生活者が、お店の評価をする仕組み。だから信じられるという人も多いのではないでしょうか。一人の評論家の意見よりも普通の人の多数決。いかにも日本人らしいと思います。でもそれが、運営会社の利益のために改ざんされていたとしたら、点数を付け、口コミを投稿してきた人たちの善意の気持ちを踏み躙り、評価を頼り、口コミを信じて店選びをしてきた人たちを裏切ることになります。
 今回の騒動、真偽のほどは分かりませんが、「然もありなん」と思った生活者は少なくないと思います。食べログにとって、今後、ジャブのように効いてくる打撃であることに違いないでしょう。