緑茶の新たな価値創造!?

 立春から数えて88日め、新茶の季節を告げる八十八夜。今年は5/1です。急須で淹れる緑茶の消費量が減少する中、飲料メーカーの緑茶展開には新たな傾向が見られます。
 伊藤園が「お~いお茶」ブランドから3/17に発売した若者向け「PURE」シリーズが、20~30代の若者や女性にウケて絶好調のよう。同シリーズは、“お茶の常識、すてましょう。”を合言葉に香りや甘みを楽しむ日本茶の新たなスタイルを提案。すっきりとした後味と爽やかな香りにこだわり、じっくりと抽出することで緑茶の甘みを引き出した「PURE GREEN」と、レモンの爽やかな香りが楽しめる「LEMON GREEN」の2種が揃います。
 一方、サントリーが提案するのは、ティーパウダーの「いちりんか」。お茶の研究を続けてきた同社が、まったく新しいおいしさを追い求め、“香り”にこだわって11年かけて作り上げた商品。新緑の森のように爽やかな香りの「香りふくよか」、蜜を想わせる甘い香りの「香りうっとり」など、気分やシーンに合わせて選べる6種類がラインアップされています。日本茶の繊細な香りを最大限に引き出し、さらに香味をパウダーに封じ込める新技術をゼロから開発。日本茶の複雑で豊かな香りを五感で楽しめる、“ネオ・ティーパウダー”と謳います。
 今年のスーパーマーケットトレードショーでは、フレーバーティーの提案がとても多かった印象があります。世界的にも、伝統的な茶文化と現代的なフレーバーの融合がトレンド。「PURE」シリーズの「LEMON GREEN」は、まさにそこを狙った商品です。一方「いちりんか」はあくまでも緑茶の豊かな香りにこだわった商品。そのこだわりを、現代の生活にマッチさせるため粉末に加工する過程において、かなりの技術と時間を費やしたことでしょう。6種類6本のトライアルセットは、1480円(税込)。1杯(100ml)およそ246円です。
 緑茶は、用途と好みで使い分ける嗜好品。おいしい緑茶を淹れていただいたときの有難さを思えば、高くはないのかもしれないし、粉末茶でそれが可能なのかとも思うし。とても試してみたい商品です。