人手不足を追い風に進むキャッシュレス化

 小売りや外食の市場でキャッシュレス化が進んでいます。
 いち早く取り組んだのがコンビニエンスストア。ローソンは春、深夜のレジを無人にする実験をしました。東京都内の数店舗にスマホアプリで決済ができるレジを設置。午前1時から4時までレジを無人にしました。これにより、最大3時間分のレジ作業の労働力を減らせると分析しています。ファミリーマートも経済産業省の指導で、商品に価格情報などを搭載したICタグを貼り付け、客が自分で会計する無人レジの実証実験を同省内の店舗で実施しました。
 外食市場では、ロイヤルホールディングスが10/2、訪日外国人の来店を意識した、現金払い不可の実験店舗「大江戸てんや」を東京・浅草に開きました。この店舗、来店客の約9割が訪日外国人。メニュー数を4種に絞り、決済手段はクレジットカードや「アリペイ」「ウィーチャットペイ」などで、順次増やしていく予定です。プロントコーポレーションも商業施設「二重橋スクエア」に11/8、「プロント」のキャッシュレス1号店をオープン。上層階がオフィスのため交通系カードなど電子マネーを持っている人が多く、受け入れられやすいと判断したそうです。2020年までに30店出店する計画です。
 日本人のキャッシュレス決済比率は2割程度とか。日本では偽札の心配がないこと、貨幣の質がよいのに加え、日本人はお金に対して神聖なものという感覚があり、丁寧に扱うため汚れていません。それが、米国や中国と比べてキャッシュレス化が進まない理由です。ただここに来て、キャッシュレス化がかなりのスピードで進んでいることを感じます。その理由はいう間でもなく、深刻な人手不足です。