5/19、おぎのやの「峠の親子めし」を原因とする食中毒事故の報道を目にし、「峠の・・・」は「釜めし」だけではなかったのか! 調べたら、具材はほぐした鮭とすじこ。益子焼の土鍋容器の色は鮮やかなブルー。山間部で海魚? 不謹慎にもそちらに驚いてしまいました。
昨年、数十年ぶりに群馬県横川駅前の横川本店で「峠の釜めし」をいただきました。土鍋は持ち帰っても持ち帰らなくても税込1400円。昭和の旅人は、この土鍋を在り難くおみやげにしたものです。横川駅には売店もあり、重い土鍋を持ち運びたくない客は、さとうきびの搾りかすを原料にしたパルプモールドの容器(税込1200円)も選べます。断捨離とミニマリストがトレンドの今、土鍋はもはや象徴でしかないのかもしれません。
かつては400社近くあった駅弁事業者は、今では80社ほどにまで減少しています。理由は端的。鉄道の高速化で車内で過ごす時間が短くなり、SNSで容易に情報を入手できるため、どうせなら目的地で名物を食べたいと思う人が増え、主要駅の駅ビルにはデパ地下惣菜が並び、コンビニの弁当も買えます。機会の喪失と競合との闘い。世の移り変わりをまともに受けた駅弁事業者たちも手をこまねいていたわけではありません。各社、さまざまな手立てを尽くしています。コラボもあれば海外進出も。2026.02.24配信の「食のトレンド情報/himeko’s VIEW」で取り上げていますので、ぜひご一読ください。
ただ、やはり重要なことは中身でしょう。私は年に何回か長旅をしますが、彼の地で駅弁を買うことはほとんどありません。なぜなら、ブランド肉や地場の魚介を使った駅弁が多いから。それらをいただきたいなら、スケジュール調整をしてでも現地の飲食店に行きます。一方、仕事で関西に赴くときは、「柿の葉寿司」に少し心惹かれます。
駅弁の購入動機は、人それぞれ。旅ハレ気分であったり、興味であったり、思い出であったり。こんな駅弁があったらいいなは、人それぞれ。私にもあります。このコラムを書きながら、駅弁の“今求められる魅力”について改めて考えてみたいと思いました。