節電と常温保存が可能な加工食品

 今冬、関東以北の地域では電気代の急激な値上がりが、生活者を悩ませています。昨年と打って変わって今年はしっかり寒い冬。暖を取る電気は、節電しようにも限界があります。では、食は?
 himeko’s COLUMNで半年前の夏に振り返った、東日本大震災の影響で計画停電が実施された2011年。エアコンの電力消費量を減らすため火を使わない料理が求められ、加熱しなくてもいただける商品が次々に登場しました。でも、今は冬。やっぱり温かい料理が食べたい。節電料理のアイデアを過去に学べるかと調べたところ、ありました。ベターホーム協会が提案している、加熱調理後の鍋をバスタオルや新聞紙で包み、余熱を利用することで加熱時間を短くする“保温調理”です。ビジュアルは、昭和感満載ですが、二重構造の鍋と同じ発想です。
 この年、常温で長期保存ができる缶詰やレトルト食品が売れました。もちろん、防災の意識が高まったこともありますが、節電の意図もありました。ご存知の通り、食品の詰め過ぎは冷蔵庫の消費電力量を増加させます。庫内を少しでもすっきりさせたいとき、常温保存ができる商品はそれだけで価値が高まります。
 当時、熱湯で溶かして作る粉末タイプのつけ麺用つゆが発売されています。夏の冷蔵庫の常連と言えば、液体の麺つゆ。常温保存が可能な粉末なら、冷蔵庫に入れる必要がありません。メーカーは、魚介系と辛みそ系の2種類を用意し、「ワンパターンになりがちな麺類の新しい食べ方を提案したい」との意向でしたが、節電が叫ばれているときなら、常温保存が可能な粉末であることを、もっとアピールしたほうがいいのにと思ったことを覚えています。