豆腐と名が付く食品は、たくさんあります。大豆(豆乳)を原料にするものには、豆腐を凍らせて乾燥させた「高野豆腐・凍み豆腐」、水を多めに抜いて硬く仕上げた沖縄の「島豆腐」、スモークした岐阜の「燻り豆腐」、海藻のいぎすで生大豆粉と野菜などを冷やし固めた「いぎす豆腐」などが。豆腐を加工したものには、豆腐を発酵液につけて熟成させた中国の「臭豆腐」、豆腐を麹などにつけて発酵させた沖縄の「豆腐よう」などが。大豆(豆乳)をまったく使わないものは、「ごま豆腐」「ジーマーミ豆腐」「卵豆腐」など、こちらもいろいろ。加工食品から調味料まで、大豆が食の柱になっている日本ならではの“豆腐名バリエーション”です。
豆腐の材料、豆乳はそのまま飲料にも、プリンやアイス、豆花(トーファ)などのスイーツにも利用されていますし、逆に大豆も豆乳も豆腐も利用していないのに「杏仁豆腐」のように「豆腐」の名前が付いたスイーツもあります。言ってしまえば、「ごま豆腐」はそのままスイーツとしても楽しめますし、「ジーマーミ豆腐」は基本のだし味以外に、黒糖味、紅芋味、チョコ味など甘い味の商品も販売されています。今年3/1、ふじや食品(福井・越前)は不二家の監修を受けて、キャンディ「ミルキー」味を反映させた「milky胡麻どうふ」を発売。同社はこれまでに、チョコミント味やミルクティー味など15種類のスイーツ系ごま豆腐を展開しています。またグリコ乳業(当時)は2012年、発売40周年を迎えた“プッチンプリン”シリーズから、冷ややっこ風に楽しめる甘くないプリン「男のプッチンプリン<おつまみ冷奴風>」を期間限定で発売しました。一方16年、アサヒコ(東京・新宿)が開発したのは、豆腐デザート「SWEETS TOFU“カスタード風味豆腐”“杏仁風味豆腐”」。本当の豆腐なのに「杏仁豆腐」ではなく、“杏仁風味豆腐”のネーミングが愉快です。