2027年4月から2年間、食料品の消費税率を1%に引き下げる基本方針が閣議決定されました。思い起こせば19年。消費税率が8%から10%へ引き上げられた際、軽減税率が導入されました。外食店は、テイクアウトやデリバリーに活路を探り、さまざまな取り組みが展開されました。弊社は、[外食の中食化]というキーワードでそれらを紹介しています。
当時、早々にデリバリー市場に参入した外食店の中には、売り上げの9割以上をデリバリーで占めるほどになった店も。成功例の多くは、家では作れない本格的な料理、冷めてもおいしい料理、サラダなどもともと冷たい料理を提供していた業態。精肉と野菜をアソートして“おうち焼肉”をサポートする焼肉店のサービスも人気になりました。
中食市場のトレンドとして忘れてはならないのが、外食企業によるテイクアウト専門への参入激化。中でも、ワタミの「から揚げの天才」や吉野家ホールディングスの「からから家」、串カツ田中ホールディングスの初のテイクアウト店などなど、揚げ物専門店の進出が止まりませんでした。そのほか、今では地方にまで広がった“キッチントラック”、ウーバーイーツや出前館といった“食の宅配代行サービス”、実店舗も自前の配達システムも持たない“ゴーストレストラン”なども、軽減税率導入と翌年の新型コロナウイルス禍を追い風に急拡大したビジネスです。
食料品の消費税1%が生活者に与える店内飲食の割高感は19年の比ではなく、[外食の中食化]が進むことは確実でしょう。すかいらーくグループなど大手外食企業は、既に中食強化の動きを始めています。因みに19年当時、すかいらーくグループは宅配の新システムを導入。過去の注文履歴をAIで分析し宅配需要を10分単位で予測するほか、配達ルートを最適化して配達時間の短縮化を図りました。過去の経験を踏まえたうえでの先手必勝戦略。メニュー開発も含めた27年の挑戦に今から期待しています。