緊急事態宣言が解除され、所用で軽井沢に行きました。久しぶりに、万平ホテルでランチをいただきました。
軽井沢は、本通りも銀座通りも万平ホテルも観光客でいっぱい。規制緩和を受けて関東地区から観光客がどっと押し寄せたのでしょう。10月にしては暑い日でしたから、“夏休みの軽井沢?”と錯覚してしまうほどの混み具合でした。
万平ホテルのメインダイニングのメニューは、コース料理とアラカルトで構成されています。押しは、コース料理。牛肉のグリルや鶏肉の赤ワイン煮、舌平目のムニエルや真鯛のポワレ、ビーフコンソメスープ、野菜にはヴィネグレットソースがかけられます。何もかもが懐かしい名前の料理。昭和のまま時間が止まっています。
アラカルトは、名物のカレー。これは正確には、カツレツや魚介、野菜のソテーなどにライスが添えられていてカレーソースをかける提供スタイルなので、料理名は「○○とライス カレーソースと共に」と記されています。ほかには、ハンバーグにビーフストロガノフとこれまた昭和を代表する洋食がずらり。デザートに至ってはそのものずばり、「昭和50年代のレシピで作った カスタードプリン」「昭和50年代のレシピで作った ババロア アプリコットソース」など。本格的なスイーツのおいしさに日本人が驚いた半世紀近く昔の味が楽しめます。給仕人の、黒いスーツに蝶ネクタイの装いも昭和のまま。敢えて時代を追わないのは1936年に建てられた館との調和を考えてのことでしょうし、軽井沢で最初の洋式ホテルという伝統と誇りを守るという目的もあるのでしょう。
おしゃれなカフェやブーランジェリー、大きなアウトレットモール、風格のある別荘群に加え、そこかしこに漂う昭和の趣が、若者たちを軽井沢に惹き付けているのかもしれません。