“揚げ立て風”が楽しめる調理家電が人気

 油を使わずに“揚げ物風”の料理ができる調理家電が人気なのだとか。私が【食市場のトレンド講演】で初めてこの種の商品を取り上げたのが、2013年。同年4月に発売されたフィリップスの「ノンフライヤー」を、[ヘルシー調理器具]というトレンドキーワードの中で紹介しました。炊飯器ほどの大きさの本体内に最高200℃の熱風を高速で循環させ、食材自体に含まれる油を浮かせることで、油で揚げたかのような食感を実現するもの。一般的な揚げ物に比べ、最大80%の脂肪分をカットできるのがウリで、鶏肉に小麦粉をまぶして付属のバスケットに並べ、温度と調理時間を設定するだけで、表面はさっくり、中はジューシーな“ヘルシー唐揚げ”が気軽に楽しめるとアピールしていました。
 因みに一緒に提示した商品は、野菜や果物を低速回転ですり潰すため栄養の損失が少ないシャープのスロージューサー「ジュースプレッソ」、米粉ではなく白米を入れればヘルシーな米パンができるパナソニックのホームベーカリー「GOPAN(ゴパン)」、スチームで加熱することで余分な油を落とすシャープのウオーターオーブン「ヘルシオ」、蓋についている羽で研ぐことで米の栄養素の流失量が減る「ヘルシオ炊飯器」など。“ヘルシー”という付加価値を付けた調理家電が続々登場しました。
 今流行っているのは、ガラス部品を採用し、調理の様子が外から見えるようにした商品。しかもどんどんコンパクトになっていて、部品を重ねて仕舞えるものも。加熱具合が確認できる安心感と調理過程が見られる楽しさが生活者に響いているのでしょう。加えて13年当時と異なる最も魅力的な点は、“揚げ物風調理と惣菜の温め専用機器”だけではない利用法だと思います。簡単に言ってしまえば、“小型オーブン”としての価値です。熱を対流させて食品を加熱する構造はオーブンと同じですが、コンパクトな分、即高温になり、短時間で仕上がります。しかも電子レンジを使った温め直しでは難しい、カラリとした仕上がりが可能。オーブン調理未経験者にとっては、まったく新しい調理器具と映るのかもしれません。
 中食価格の値上がりを背景に手作りすることの必要性を強く感じている生活者。せっかくなら、揚げ立て、焼き立てを楽しみたいというニーズとの焦点が結ばれたところにある調理家電です。