コロナ禍の米国で注目されるケトジェニック・ダイエット

 先々週に引き続き、新型コロナウイルス禍の米国で流行っていることを話題に。巣ごもりで運動不足になり、筋肉が減って代わりに脂肪が付いたと気にしているのは米国人も同じ。日本では、タンパク質を積極的に摂って炭水化物を減らす食生活を心掛ける傾向が高まっていますが、米国で近年実践する人が増えているのが、「ケトジェニック・ダイエット」です。

 私たちは通常、炭水化物や果糖などの糖質が体内で分解されて作られるグルコース(ブドウ糖)を主なエネルギー源にしています。ところが糖質を極端に制限すると、身体は脂肪を分解して「ケトン体」という物質を作り、グルコースの代わりにエネルギー源にするようになります。エネルギー源がグルコースからケトン体に切り替わった状態を「ケトーシス」と呼び、ケトーシス状態になると、身体は「超・脂肪燃焼モード」に。燃費の悪い自動車のように、皮下や内臓に蓄えられた脂肪がどんどん燃やされ、結果、痩せるというダイエット方法です。

 1日に摂取していい糖質の量は、一般に50g以下と言われています。パンやご飯を50gしか食べなければいいと単純に考えがちですが、芋や人参などの根菜類、ソースやみりんなどの調味料にも糖質は含まれていますから、これがなかなか難しいのです。タンパク質は、1日の摂取エネルギーの約20~30%、脂質は約60~70%摂ります。オリーブオイルやココナッツオイル、チーズや濃厚なクリームから。

 米国では「ケトジェニック・ダイエット」を実践している生活者のために、“Keto”“Low Carbo(低炭水化物)”と明記された加工食品も多く、低糖質にするためにパスタの代わりにズッキーニを細く切った「Zoodles」が添えられたりしています。日本でもご飯の代わりにカリフラワーを使った低糖質商品がありますが、白飯が食事の中心に鎮座する食生活を永年続けてきた日本人にとっては、米国人よりハードルが高いダイエット法かもしれませんね。