5月21~24日は、昨年は新型コロナウイルスまん延防止のため中止になった、スペイン最大の巡礼祭「エル・ロシオの巡礼」です。
スペイン南部アンダルシア州ウエルバ県に位置する集落エル・ロシオにある礼拝堂で毎年行われるお祭りで、人々は、年に一度だけ目にすることができるマリア像に会うために、数日をかけてエル・ロシオを目指します。ウエルバやセビージャ、カディスなど街ごとに花で飾られた馬車や荷車に乗って向かう人、それを囲むように歩いて向かう人人人。女性は皆、色鮮やかなフラメンコの衣装を着ます。衣装は数枚用意するのが普通。テントで眠る日々ですが、おしゃれも旅の大切な楽しみです。
ゆっくりと進む長い行列は、時に木陰で休み、食事をし、そして日本の盆踊りに例えられるフラメンコのセビジャーナスを歌い踊り、酒精強化ワインのシェリーを飲みます。酒精強化ワインとは、醸造過程でアルコールを添加してアルコール度数を高めたワイン。日本では、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラで作られるティオ・ペペ (ペペ叔父さん) が有名です。ヘレスにあるボデガ(貯蔵熟成庫)には、皇太子時代の徳仁天皇がサインをした樽もあります。
サンルーカル・デ・バラメダの巡礼者たちが飲むのは、シェリーの1種、マンサニージャ。パロミノ種のぶどうを使い、サンルーカルで作られたシェリーのみが、マンサニージャと呼ばれます。
マリア像に会える喜びを胸に、飲み、歌い、踊る日々。その行程のすべてが、アンダルシアの人々が待ち焦がれる、年に一度のお祭りなのです。フラメンコとシェリーを愛する私が、いつか必ず参加したいお祭りです