4/5、2020年4月に首都圏の私立大学に入学した学生の平均仕送り額が発表されました。その額、過去最低の8万2400円。ピークだった1994年の12万4900円から年々減少し、3分の2以下になっています。一方、仕送りから家賃を引いた1日当たりの生活費は607円。こちらも過去最低です。もちろん607円では生活できませんから、奨学金を申請したり、飲食店やコンビニのアルバイトをしたりするなどして、生活費を、人によっては学費をも捻出するのですが、新型コロナウイルス下ではそれも適いません。学生生活が続けられず、休学、退学する学生たちが今後も増えるでしょう。
私は、十数年にわたって、大学生協の食堂やコンビニのコンサルティングをしてきました。学生たちに、おいしくて栄養のあるものをたくさん食べて欲しいという思いは、皆一緒です。が、そこに大きく立ちはだかるのが、学生たちの懐具合でした。大学生協の使命は、学生たちの食生活を守ること。そのためには、街場の食より低価格で提供しなくてはなりません。年々価格が上がっているのは食材も同じ。スケールメリットを期待して全国で食材を統一したり、海外から安価な食材を入手したり、食品会社に協力を求めて生協用の加工食品を製造してもらったり。皆さん、挑戦と苦慮を繰り返していました。
そんな大学生協も、キャンパスに学生たちがいなくなり、この1年は大変だったと思います。今春から大学も、少しずつ通常に戻りつつあるようです。苦学する学生たちのために、大学生協の役割はますます大きくなり、期待は高まるばかりだと思います。