先週、スーパーマーケットの社長および後継者が集まる勉強会にお呼びいただき、講演をしました。講演会場は、福岡県でスーパーを3店舗経営する明治屋食品さんが展開しているキッチンスタジオ併設の施設で、スーパー「明治屋ジャンボ市」が隣接しています。
空き時間に店舗を見せていただきました。明治屋食品さんは精肉店をスーパーに転換した歴史があるだけに、精肉売り場の充実度は、完璧です。
後藤社長がこだわり続けたのが、対面販売。人手がかかるという理由で、何度か止めようという意見も出たとか。それでも続けてきたのは、「お客様と会話をしながら販売する」ことへの社長の信念とか。対面販売というと単価の高い肉の専用コーナーという印象がありますが、ここでは安価な肉も好みの重量、厚さで販売しています。パックコーナーは、冷蔵あり、冷凍あり。ブランド肉から輸入肉まで、塊肉からミンチまで、とにかく幅広い品揃え。カルビだけでも4種類が揃います。
小規模なスーパーしか近隣にない環境に住む私にとって、パラダイスのように思えました。塊肉はあっても300-400gにカットされているため、それに合わせて料理をするしかありませんし、薄切り肉も“薄切り”と“しゃぶしゃぶ用”の2種。例えば同じ生姜焼きでも、肉の厚みによっておいしさが変わります。“今日はちょっと厚めでいただきたい”などと思っても、かないません。アウトパック主体の店ではなおのことですし、店内カットの店でも、さまざまな理由でカットしてもらえないことが増えました。
週末、料理に腕を振るいたい生活者にとって、求める素材が求めるカタチで売られていることはとても重要です。素材が料理のやる気を奮い起こしてくれると言っても過言ではありません。恵まれないスーパー環境に住む私は、狭隘な素材範囲の中、料理選びに四苦八苦しています。