人手不足に悩む外食企業の働き方改革 ?

 人手不足が深刻な外食業界において、柔軟な対応で働き手を確保する企業が増えています。
 居酒屋「甘太郎」や焼肉店「牛角」を展開する「コロワイド」は6月から、通常、正社員になるのに週40時間の労働が必要なところ、最短20時間とする限定社員制度を導入しました。福利厚生が得られ、店長にもなれるほか、夏や冬の賞与も支給されます。ファミリーレストランの「すかいらーく」は、その日の繁閑に応じて労働時間を4時間から12時間までの5つのパターンから自由に選べる制度を設けました。組み合わせによっては、週休4日も可能といいます。「ロイヤルホールディングス」も短時間勤務の導入を検討しています。 「吉野家ホールディングス」は今春、労働時間を自由に設定できる地域限定社員の制度を地方子会社にも広げました。
 勤務地を融通させている会社もあります。「サイゼリア」は、1時間以内に通勤可能な5つの店舗から勤務地を決めることができるようにしています。また「マクドナルド」は、通称“わがまま応募”という求人サイト“おまかせ!マック”を開設。「家から10分の距離で1日3時間。土日は働けない」などの条件を入力すれば、会社が希望に合う店舗を探してマッチングしてくれます。
 外食店やファストフードの4月のアルバイト・パートの募集時平均時給は、三大都市圏で過去最高額の970円になり、人手不足は人件費の高騰に直結しています。労働時間と勤務地を融通させることで働き手を確保しつつ、人件費の高騰を抑えたい。大手外食企業の苦悩は、まだまだ続きそうです。