食べ物を食べ物に例える話

 出勤の支度をしながらAMラジオを聴くのが朝の習慣です。ニュースや街の情報が端的に分かるのが魅力ですが、何より、リスナーのメールやツイートはまさに「時代の空気」そのもの。興味深いです。
 ある朝の番組で、「友だちが“森のバターと言われているほどおいしいのよ”と言ってアボカドを出してくれたが、バターとはほど遠い味で、バターのようにおいしいものではない」という内容のメールが紹介されました。これをきっかけに、話は食べ物を別の食べ物に例えた表現に。「大豆を畑の肉と呼ぶが、大豆はそもそもおいしくて立派な食品。わざわざ肉に例えなくていい」「カキのことを海のミルクというのもおかしい。たしかにカキの白い所はミルクみたいな見た目かもしれないが、口に入れたときの味はミルクとはほど遠い」とか。
 私の頭にたくさんの“?”が浮かびました。
 アボカドを“森のバター”、大豆を“畑の肉”、カキを“海のミルク”と呼ぶのは、味が似ているからとか、そのくらいおいしいからとか、が理由ではなく、バターのように、肉のように、ミルクのように栄養価が高い、または栄養成分が似ているからなのでは? 栄養成分が似ていれば、もちろん味も似ています。例えばアボカドは良質な脂質を多く含んでいるので、バターのような滑らかな口当たりです。大豆も言わずと知れた、植物性タンパク食品の雄。プラントベースミートの材料です。カキも牛乳のように栄養価が高く、真ガキのうま味が凝縮されたクリーミーな味わいをミルクと表現しているのだと思います。
 番組のMCは、春風亭一之輔氏。博学の落語家さんだけに、話を盛り上げるためにわざと・・・かもしれませんね。

コンビニで冷凍のお刺身買ってみた

 ローソンで冷凍のお刺身を買いました。「カンパチお刺身」と「真鯛お刺身」、いずれも税込498円です。
 「カンパチ」は鹿児島産の養殖カンパチ、「真鯛」は高知産の養殖マダイを使用しています。委託先の工場で切り身にした後、株式会社テクニカンの液体急速凍結機「凍眠」で冷凍され、店舗に届きます。テクニカンのHPによると、【液体凍結とは、パックした食品をマイナス30℃の液体(アルコール)で冷凍する手法 ~ 通常の冷凍庫は「冷たい空気」で冷凍しますが、凍眠は「冷たい液体」を使って冷凍します。】とのこと。
 商品の内容量は、どちらも40g。お刺身というより薄切りが6枚。しょうゆとわさびが付いています。スーパーのお刺身に比べれば、確かに高過ぎる、そして、かなり薄過ぎる。解凍方法は流水で10分。生活者が水道代をもったいないと思うぎりぎりのところを考えると、厚くはできないのか。急速冷凍にコストがかかるのか。お刺身の弾力のある歯応えと噛むほどに強くなるうま味を期待するのは無理ですが、どうしてもどうしてもどうしてもお刺身が食べたいときに、わさびじょうゆをたっぷり付けて、また食べてみようかなと思いました。
 コンビニで初めてお刺身を販売したのは、ファミリーマートで2008年のことです。中高年層を取り込むために『刺身亭』のブランドで、「まぐろのたたき」や「たこスライス」などの販売を始めました。その後、「活〆かんぱち&甘海老」「サーモン単品盛り」など切り身商品も出たのですが、いつの間にか止めてしまいました。コスト面、流通面、管理面でいろいろと難しかったのでしょう。野菜、精肉と来て、次は鮮魚、特にお刺身。期待しています。

中国で盛んなダチョウビジネス

 1月、夜の車道をダチョウが爆走している中国の映像をニュースで見ました。近くの農場から逃げ出したとのこと。中国では近年、ダチョウビジネスが盛んで、短期間にダチョウ飼養企業が次々に誕生。その数は優に200社を超え、このほかに小規模な飼育場が多数存在しているといいます。
 中国でダチョウビジネスが急速な成長を遂げてきた背景には、①広大な牧草地帯などは必要なく、限られた面積で飼育が可能 ②飼育管理に手間が掛からないうえ、 繁殖力が強く、 かつ乾燥や高温といった厳しい気候にも耐性がある ③飼料は、草や茎、ふすまや豆かすなど「粗食」でよい ④肉質は、高タンパク、低脂肪、低コレステロールのヘルシーミート ⑤卵は、大きいもので鶏卵30個分。しかも1羽が産む数は、年間50~100個。かつ長期間に渡り産卵が期待できる ⑥皮は、言わずと知れた「オーストリッチ」。クイルマークと呼ばれる独特なドット柄の羽軸跡は、日本の女性にも人気の高級レザー ⑦羽は、衣装の飾りに使われるほか、車のほこり取りとして今でも人気。つまり、飼育効率が高い、捨てるところがない家畜なのです。
 日本で近年、ダチョウの話題といえば、やはり「ダチョウ抗体マスク」でしょう。ダチョウの卵を使って生成したウイルスの抗体を塗ったマスクです。ダチョウ抗体は、安価で素早く、大量生産できる点で、新種のウイルスが原因のパンデミックに対し、かなり有効な対策になります。因みにダチョウ抗体は、新型コロナウイルスの変異株にもしっかり結合することを、京都府立大学塚本康浩学長の研究グループが確認しています。

脳に快楽を与える「超加工食品」と甘味料

 Newsweek日本版の2/1号の表紙は、大きなハンバーガーの画像と、“あぶない超加工食品”の見出し。思わず手に取ってしまいました。Newsweekは、時に食市場に警鐘を鳴らします。しかも過激気味に。こと、食に関しては極端に横ブレする米国の週刊誌らしい切り口の情報が、日本語で読むことができます。
 筆者の意図と多少なりとも齟齬があることを恐れずに概要を申し上げれば、「超加工食品」とは、食品を、それらを構成する化学物質のレベルまで分解。その化学物質に手を加えてから再び合成するという工程を経た食品を指し、それらは人間の脳の“弱み”に付け込むように作られている。脳に快楽という刺激を与えるため、継続的に多食化する。米国の肥満率が高いのはそのせいである。加えて砂糖(甘味料)も同様でコカイン並みに依存性が強く、米国のスーパーで売られている食品の66%に甘味料が加えられている。問題なのは、ヨーグルトやスパゲティソースなど昔は甘くなかった食品にも含まれていること。こんな感じです。
 この見解。ひとつひとつ頷けます。加工食品は日々進歩していますし、利用する生活者はますます増えています。糖分はクセになり、その常習性については広く知られているところです。日本でも、高級な食パンは甘くなっていますし、「甘じょっぱ系」の味は定着しつつあります。隠し味に甘みを加えるのは近年よくある手法ですし、外食店の料理も家庭料理のレシピも、味付けが甘くなっているように、私は感じています。
 地球環境に配慮して開発されたプラントベースミートは精肉より加工度が高く、脳の唯一のエネルギー源は分解された糖質です。食の持っている多面性を表わしています。

2022年1月1日 1アカウント3,300円(税込)/月で閲覧できる「食のトレンド情報Web」をリリースしました。
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グレードアップしたモスが楽しめる「キッチンカー MOS50」スタート!

 1/25、モスフードサービスの創業50周年を記念した新プロジェクト「キッチンカー  MOS50(モスフィフティ)」のお披露目に伺いました。場所は、「洋服の青山 大田久が原店」の駐車場。今回のプロジェクトに関しては、青山商事が協力。駐車場の貸し出しはもちろん、スタッフのユニフォーム、50周年記念のトレーナーやパーカーも、青山商事がデザイン。トレーナーとパーカーは、隣接店舗で販売しています。
 「キッチンカー MOS50」で販売される商品は、モスバーガーとテリヤキバーガーをグレードアップした“50th MOS”(680円)と“50th TERIYAKI”(680円)。それと、“50th MOS Cheese”(740円) “Cheese BURGER”(490円) “Plain BURGER”(430円)の5種。フライヤーは設置できなかったということで、“フレンチフライポテト”はありませんし、ドリンク類もなし。ついつい店舗と比較してしまいますが、キッチンカーです。広さと電力量に限りのある厨房でするべき最上の戦略は、やはりバーガーに一点注力することです。
 お味の方はといえば、これがかなりおいしい。もちろん味には定評があるモスバーガーですが、その定番のおいしさをさらに引き上げているという説明がよく分かる味です。たまたまモスバーガーのパティやソースを製造している紅梅食品工業株式会社の堀口社長とお会いし、お話を伺ったところ、パティの肉の切り方にかなりこだわったそう。ミートソースもバンズも、すべてがグレードアップしています。そして、それらがしっかり調和して全体のおいしさを高めているのです。
 私の生活圏にモスバーガーはありません。「キッチンカー MOS50」が近くに来てくれたらとってもうれしいし、1ファンとしては、どんどん増やしていただきたい。モスバーガーを食べるとき鼻にミートソースが付く私には、家で食べるほうが都合がいいのです。

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またも出された「まん防」と飲食店への要請

 1/19、13都県に「まん延防止等重点措置」が適用されました。期間は、1/21~2/13。東京都は、“不要不急の外出は自粛し、混雑している場所や時間を避けて行動すること”“営業時間の変更を要請した時間以降、飲食店等にみだりに出入りしないこと”を都民に呼びかけています。
 “みだりに”ってどういうこと? 違和感を覚えて調べると、「秩序をみだして。むやみに。わけもなく。思慮もなく。無作法に。しまりなく。」(広辞苑)という意味なのだそう。私は、今まで一度たりとも、「秩序をみだして。むやみに。わけもなく。思慮もなく。無作法に。しまりなく。」飲食店に行ったことはありません。「おいしい料理が食べたくて。うまい酒が飲みたくて。楽しい会話がしたくて。人に会いたくて。非日常を体感したくて。」飲食店に行きます。だから私は“営業時間の変更を要請した時間以降、飲食店等に出入りしてもいいこと”になります。
 飲食店への要請は、相も変わらず、営業時間の短縮と、酒類の提供の可否と提供時間の規制、そしてグループ客の人数制限です。またも飲食店に数字を提示しての要請。これによって、爆発的に増加した新型コロナウイルス感染者が劇的に減少すると信じている国民は、果たしているのでしょうか。オミクロン株は、子どもから親にうつる家庭内感染が増えていますし、空気感染も疑われています。ワクチン接種が進んでいる国にも容赦なく拡がり、ブースター接種の有効性に疑問をもつ生活者も増えています。
 正しく恐れて、賢く予防する―。日本人にとっての最良の対処法ではないでしょうか。

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夢中になった料理番組「世界の料理ショー」

 昔、大好きな料理番組がありました。「世界の料理ショー」です。昔というのは、いつの頃見ていたのか覚えていないからです。
 今はウィキペディアという、大変便利なツールがあります。それによると「世界の料理ショー」は、1968年~71年、カナダ放送協会で放送されたテレビ番組で、日本では1974年~79年、東京12チャンネル(現:テレビ東京)が放送。それを機に、日本各地の放送局が再放送を含めて断続的に放送したとか。
 登場するのは、グラハム・カーという男性の料理研究家。おしゃれなキッチンとリビングルームのセットに観客を入れてのスタジオ。そこでグラハム・カー氏が、楽しいというより笑えるおしゃべりをしながら、世界各地を旅して味わった料理を再現して見せるのです。ゴージャスな雰囲気、リッチでおいしそうな料理、愉快なグラハム・カー氏、巧妙でラフな進行。そのすべてに魅了されました。それは私にとってまさしく、「パートリッジ・ファミリー」や「奥様は魔女」といったアメリカのテレビドラマと同一線上にある、アメリカンな料理番組だったのです(カナダで制作されていたのですが)。
 もちろん、紹介された料理をいくつか作りました。その中でも強く記憶にあるのは、英国の“パン粉とはちみつのパイ”。パイ生地の中身は、はちみつでしとらせたパン粉だけなのです。驚きのレシピですが、これがおいしかった!
 グラハム・カー氏は料理をするとき、ジャケットは脱ぎますが、ネクタイはしたまま、シャツの袖もまくり上げません。油が飛んだり、シミが付いたりしそうでちょっとハラハラ。そんな庶民の心配をしている私に、彼の手の動きがとても上品で優雅に見えたことを、今でもよく覚えています。

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お知らせ! 「電通PRコンサルティング トレンドレポート」がアップされました

昨年に引き続き、ひめこカンパニー代表・山下智子のインタビュー記事が掲載されています。是非、お読みください。

2022年の歩き方 各界のオピニオンリーダーと考える
”加速”・”定着”・”回帰”・”消滅”
~「食」篇~

withコロナが常態化した日本の年末年始

 今年のお正月も、自宅でのんびりと過ごしました。一昨年は息子の受験、昨年は新型コロナウイルスと、正月の遠出を控える状況が続き、3年目となる今年は、新事業立ち上げで溜った疲れの回復とオミクロン株を理由に、飲んで食べて寝てを繰り返していました。
 ただ、年末は少し外出をしました。渋谷の「東急フードショー」におせちの買い出しに行き、「六本木ヒルズ」に映画を見に行き、ついでに「ラトリエ ドゥ ジュエル・ロブション」でシャンパーニュを楽しみ、家の近くのイタリアン「イル・パチョッコーネ・カゼイフィーチョ」で21年最後の外食を堪能しました。
 どこに行っても賑わっていて、withコロナが常態化しているのを感じました。聞けば、渋谷のスクランブル交差点では、主催者不在のカウントダウンで大盛り上がりだったとか。マスクと消毒が当たり前になっている日本においては、だれもが気を付けているだろうという信頼感と安心感が強く、ウイルスに対する危機感も大分薄まってきているように感じます。
 因みに、年末、以前から約束していた友人との外食をしようと、急遽、馴染みの飲食店のいくつかに予約の電話を入れたのですが、すべての店が満席でした。オミクロン株のここまでの拡がりを予期していなかったその時は、心の底から外食市場が回復しつつあることをうれしく思いました。
 結婚後、初めておせちの準備をしませんでした。別に暮らしている夫が、じゃが芋入りの筑前煮を作りました。普段、おかずとして作っているそうで、ボリューム感が欲しくてじゃが芋を入れるようになったそうです。料理においては正統派を自認する私には違和感がありますが、根菜の滋味をたっぷり含んだ甘辛味のじゃが芋は、確かにおいしかったです。

2022年1月1日 1アカウント3,300円(税込)/月で閲覧できる「食のトレンド情報Web」をリリースしました。
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「食のトレンド情報Web」いよいよ1月1日リリース!

 前年から続く新型コロナウイルス禍で幕を開けた2021年は、「オミクロン株」で終わろうとしています。弊社の2021年は、「食のトレンド情報Web」開発の1年でした。
 20年以上にわたり、「食のトレンド情報」をExcelで作成し、毎週、会員企業様にお送りしてきました。が近年、多くのお客様から、欲しい情報をすぐに検索できるといいのだが、スマホの画面で見られたら便利、元のデータや画像をすぐに見られるようにして欲しいなどのご要望をたくさんいただき、Web版の開発に着手しました。
 Web版では「トレンドキーワード」「調査データ・ランキング」「himeko’s VIEW!」「himeko’s COLUMN」と「ひめカン編」が閲覧できます。「ひめカン編」では、2004年からのトレンド情報数万件を再編集した「食のトレンド情報アーカイブ」、私の過去の「食市場のトレンド講演」動画、“アール・エフ・ワン”“柿安ダイニング”など5ブランドの惣菜を調査した1500件の「惣菜調査票」、過去と現在のトレンドを比較しながら食市場の流れを分析した「食のトレンド今⇔昔」などが見られます。
 もちろん、すべてのコンテンツがフリーワードで、「トレンドキーワード」と「調査データ・ランキング」はタグでも検索でき、元のデータや画像に即遷移することも可能ですし、パソコンでもスマホでも見られます。また取っておきたい情報、後でじっくり読みたい情報を保存しておけるブックマーク機能もあります。
 Excel版は、企画書や資料を作成するときの情報源として、また1週間分の食に関係する情報をまとめて読みたいときに役立ちますし、Web版は欲しい情報をすぐに入手したいときや新しい情報をいろいろ知りたいときに便利です。
 Web版は2022年1月1日にリリース予定です。1人1アカウント3,300円(税込)/月です。是非、ご利用ください。

食のトレンド情報Web → https://trend.himeko.co.jp