“タピオカにはココナツツミルク” が、私の鉄板です

 今年、日本は空前のタピオカブームでした。原宿にはタピオカティスタンドが乱立し、その流れは表参道まで。代官山、恵比寿もしかり。駅から離れた住宅街にも。こんなところにいつできたの? 客は来るの? と心配してしまうような立地にも、タピオカティスタンドがオープンしています。とはいえ、そろそろ女性たちの興味も失せたのか。有名店でも行列は見られなくなりました。
 終息に向かうタピオカブームですが、我が家では夫も息子も、タピオカを一度も口にしたことがないそう。ならばと、およそ30年ぶりにタピオカココナッツミルクを作ることにしました。
 まずはタピオカを入手しなくてはなりません。当時は、輸入食品専門のスーパーにしか売られていませんでしたが、今はネットで簡単に買えます。さすがに過去最高の輸入量を記録するほどのブーム。タピオカバブルの価格です。また当時は、白い小さな粒のタピオカしかありませんでしたが、今は大きなブラックタピオカが主流です。これを好みの堅さにゆでます。そのままでもいいのですが、好みで砂糖水に浸して甘みを付けます。ココナッツミルクは、牛乳、砂糖と合わせて温め、冷やします。冷やしたココナッツミルクにタピオカ。初めて食べたのは、タイ料理店だったと思います。辛いタイ料理の〆に、なんとぴったりなデザートなのだろうと感激したことを覚えています。
 さて実食。夫も息子もおいしいと言ってくれました。が、「これタピオカミルクティなの?」との息子の一言にはたと。そう、世のブームは「タピオカミルクティ」であって「タピオカココナッツミルク」ではありません。それにまったく気が付かなかったことがおかしくて。やはり私の中では、タピオカと言えばココナッツミルクが鉄板なのです。

ライフ渋谷東店が改装! 中食売り場大拡充

 家の近くにたった一軒しかないスーパーマーケット「ライフ渋谷東店」が、週末、リニューアルオープン。開店記念の安売りを目当てに、初日に買い物に行きました。どんな風に改装されたのかをとっても楽しみにして。
 リニューアルの目玉は、なんと言っても中食の拡充です。インストアベーカリーがあった場所にレジを移し、空いたスペースをすべて「弁当・惣菜コーナー」にしています。今まで提供していなかった、ナポリ風のピザ、スープやカレーのホット売りも始めていて、品揃えのバラエティ感はかなり増したと思います。通い続けている私のあくまでも推測ですが、顧客層は、昼間は老人、夜は帰宅途中の勤め人、しかも単身者の利用率が高いと思われます。郊外立地のスーパーに比べて圧倒的に子ども連れの客は少なく、狭い店なので子どもを乗せられるカートもありません。場所柄、平均所得も高いでしょう。中食の比重が高くなるのも当然です。
 グロッサリー売り場では、ライフが大阪で展開しているオーガニック野菜などを扱うナチュラルスーパー「ビオラル」の商品が小さなコーナーで展開されていますが、環境は以前のままなので、“やってみた感”があることは否めません。介護商品や肌着、パジャマのコーナーが縮小されていないのは、やはり高齢者の利用が多いからでしょう。
 デザイン的には、白木風の素材を利用して明るさと清潔感を演出していますが、印象としては以前のまま。どこにでもあるスーパーの内装です。
 我が家のメインスーパーなだけに、おかしな方向に変わらなくてよかったと思う反面、つまらなさを感じているのも事実です。ただ、レジ前に、ここまで大々的にでき合いの料理を並べられると、そこに行き付く前にカゴに入れた生鮮食品の諸々を見ながら、これから料理に掛かるであろう時間と労力をばかばかしく思うようになるのではないかと、それだけを危惧しています。

台風被害の農産物にもフードロス対策を

 この週末、東日本は数十年に1度と言われる台風の脅威に見舞われました。1ヵ月前、猛威を振るった台風15号の傷跡も癒えぬまま、さらに大きな打撃が加わり、甚大な被害が発生しています。
 特に千葉県は、第一次産業が盛んな地域。先の台風によって広い範囲でビニールハウスが倒壊、損傷。生育中のトマトが全滅、あるいはキズが付いて売り物にならなくなった地域もあります。大量の雨水によって土中の人参が土と一緒に流されたり、強風で稲が倒れたり。雨と風が多くの農産物に多大な被害をもたらしました。
 千曲川が氾濫した長野県でも被害は予想外に大きく、出荷を待つりんごに泥が付き、洗い切れないとか。ジュース用にするのも難しく、廃棄処分するしかないといいます。
 思い起こせば平成3年、後に「りんご台風」と呼ばれた台風19号が青森県を直撃。収穫前のりんごのほとんどが木から落ちました。さらにりんごの木が倒れたり、枝が折れたり。りんご畑の回復にかなりの時間がかかったことを覚えています。落下したりんごは市場に出せず、ジュースやジャムなどの加工用に回されました。りんご風呂にして観光の目玉にしようという動きも。ただこの時、木から落ちなかったりんごは、“落ちないりんご”として販売され、受験生に飛ぶように売れたとか。
 フードロス対策がやっと目に見えるまでに動き始めた日本において、天災によって発生するフードロスに対する施策を考えることは、重要な課題だと思います。“台風トマト”や“土付きりんご”を被災地支援の一環として売り出すことはできないものでしょうか。現地の皆さんの手が回らないのなら、いち早く動くボランティア組織がないものかと思います。

待つのも楽しい? ウーバーイーツ

 この週末、久しぶりにウーバーイーツを利用しました。ウーバーイーツと言えば、10月1日、事故に遭った配達員に「見舞金」を支払う「傷害補償制度」をスタートさせたばかり。一方、3日には、ウーバーイーツの配達員たちが「労働組合」を結成。働き方の改善を求めていくと公表しました。
 配達員は個人事業主。勤務中事故に遭っても労災保険が適用されません。それに対してウーバーイーツが補償制度を立ち上げた背景には、配達員の確保があることは確実です。組合側は、ウーバーイーツとの不透明な契約について今後は改善を求めていきたいとしています。例えば、配達員への報酬は距離によって変わりますが、配達依頼時には店の位置は分っても、何処に届けるのかは分からないのだそうです。遠くへ届けたい配達員に請けてもらえないのは困るという判断なのかもしれません。
 これについては、利用者も不都合を感じているのではないでしょうか。近くの店から料理をデリバリーしたくても、ウーバーイーツが指定した住所以外は受け付けてもらえないのです。例えば渋谷区の場合、ウーバーイーツから六本木にある希望の店を探しても見つかりません。店に問い合わせると、ウーバーイーツが配達範囲を決めているとのこと。六本木に隣接している渋谷区もあれば、遠い渋谷区もあります。配達員への報酬を一定以上増やしたくないという意図が働いてのことかもしれませんが、一律に区で決められているとしたら、GPS全盛の時代に残念な話です。
 そうそう、GPSによって配達員の移動をスマホで見られるのも、ウーバーイーツの面白いところ。料理を待つ時間も、長く感じなくなります。ピックアップする料理店になかなかたどり着かなかったり、配達先を迷ったり。その迷走ぶりが配達員への労いに繋がって、配達が遅れたことにいら立つより、“ありがたい”という感謝の気持ちが強くなるから不思議です。

拡大か個性化か。生き残りを賭けるドラッグストア

 急成長するドラッグストア市場。弁当・惣菜の販売でコンビニを、生鮮食品の販売でスーパーを脅かす存在になり、市場規模は2018年度に7兆円を突破しコンビニに迫る勢いです。がここに来て、そのドラッグストア市場にも陰りが見え始めています。特に都市圏の出店余地は狭まり、価格競争に突入。利益率は低下し、自ずと地方での出店強化に注力せざるを得ず、生き残りをかけた熾烈なパイの奪い合いが激化しています。
 夫の実家がある愛知県の町には、スギ薬局とサンドラッグの2つの大きなドラッグストアがあったのですが、今年になり、GENKY、ウエルシアなどの大手チェーンが次々に開店。弁当・惣菜、生鮮食品に力を入れ、コンビニはもちろん、スーパーにも負けない価格で販売しています。GENKYのチラシなど、もはやスーパーのそれと見紛うばかりです。
 安く販売できる理由はもちろん、利益率の高い薬品や化粧品を販売しているから。安い弁当や野菜を買いに来ていただき、ついでに儲けに繋がる薬品類を買っていただく。加えて、薬品はせいぜい1週間に1度程度の購入頻度でしょうが、食品は毎日購入する人もいます。とにかく来ていただくための食品販売強化です。ただ問題もあります。常温の商品しか扱ったことがないドラッグストアの店員にとって、精肉や鮮魚などの温度管理は、非常にハードルが高い作業になるということ。もちろん、学習と歳月が解決してくれる問題ではありますが。
 オリジナル商品がほとんどないドラッグストアにとって、安く売れる力があることが勝敗を分けます。バイイングパワーを規模で強化するための吸収、合併が、今後も繰り返されることは必定です。一方で、食品強化型、処方箋安心型、健康・美容提案型など、個性を際立たせることで生き残りを図るドラッグストアの存在も顕著になることと思います。

家のテラスも収穫の秋を迎えています

 今年も、収穫の秋を迎えました。家でも、テラスでレモンやライム、オリーブなどを育てていて、毎年、今頃収穫して会社のスタッフやお世話になっている方々におすそ分けをします。
 今年は、成長期の7月に曇りや雨の日が多く、日照不足だったせいか、レモンやライムは例年よりやや小ぶりです。オリーブは、強風の日が多かったため、花が散り、せっかく生った実も小さなうちに落ちてしまい、今年は少ししか収穫できませんでした。オリーブは、苛性ソーダに漬けて渋味を抜き、塩水に漬けてほんのり塩味に仕上げます。市販品よりフレッシュで、オリーブ本来のおいしさが味わえると自負しています。
 レモンやオリーブの木には青虫が付きます。殺虫剤は使えないので、つまんでは外に投げるのですが、ここ2年ほどはその数が減っています。アゲハチョウの一族がこの家の木では子どもは育たないと学習したのか、鳥たちがこの木にはご飯があると学習したのか、私はどちらかだと思っています。
 因みに小さなぶどう棚を作り、デラウェアも育てていますが、こちらは鳥との闘い。熟し始めるとどこで知ったのか、すぐにやって来ます。釣り糸を張って侵入を防いだり、紙袋をかぶせたり。まだまだ小さな粒ですが、とっても甘くておいしいのです。今では珍しい種あり。ぶどうは植物ホルモンを使って種なしにするのですが、山梨のぶどう農家さんによれば、実は、種ありの方がずっとおいしいのだそうです。

秋祭りの季節。楽しみは屋台と盆踊り

 秋祭りの季節がやって来ました。私の家の近くにある“渋谷最古の神社”氷川神社も、この週末お祭りでした。
 この神社、お社に続く参道に階段が連なり、木々が生い茂る中を歩くという何とも神社らしいロケーション。そのためか、ドラマのロケに度々使われています。境内には、江戸郊外三大相撲のひとつ、金王相撲の相撲場があり、お相撲さんがやって来て奉納相撲をします。また近年は、パワースポットとしても有名なようで、毎月15日には「縁結び祈願祭」が行われ、縁結び限定の御朱印がいただけるとあって、女性たちの長い列ができます。
 毎年、屋台と盆踊りを楽しみにお祭りに行きます。お祭りの屋台は、トレンドをしっかり(ちゃっかり?) 取り入れているので案外おもしろいのです。例えば、くじでもらえるぬいぐるみ、今年は「うんちくん」一色でした。最近は、新大久保で火が点いた韓国版アメリカンチーズドッグ「ハットグ」や「タピオカジュース」、「白い鯛焼きパフェ」、インスタ映えを狙った、みかんやぶどう、イチゴ、キウイなどを飴がけしたフルーツ飴なども登場しています。「佐世保バーガー」や「明石焼き風たこ焼き」、「広島焼き風お好み焼き」などご当地メニューのパクリものもあって、何を称してその名を付けているのか、観察するのも一興です。
 盆踊り会場には、やぐらが立ちます。「東京音頭」「炭鉱節」と並ぶ定番曲が「渋谷音頭」。ハチ公前から代々木、原宿、八幡通り(代官山)、日赤通り、道玄坂と、渋谷区内の地名を織り込んだ歌で、“ラブラブ渋谷ラブラブ渋谷”で〆ます。この歌詞のインパクトが大きくて、大好きな盆踊り曲になりました。

庶民の初秋の味覚サンマ。今年も高嶺の花

 9月8日日曜日、毎年恒例のさんま祭りが東京目黒駅前商店街で行われました。今年は、サンマが例年以上の不漁で、岩手県宮古市が用意したサンマ7000匹に加え、初めて冷凍のサンマが提供されたそうです。
 “目黒のサンマ”は、落語の有名なネタのひとつ。当時は下衆な食べ物であったサンマをたまたま口にした殿様が、その焼き立てのおいしさに魅了されます。その後、サンマを所望されますが、家来は殿様のことを思い、脂を抜き、骨を除いたポロポロのサンマを椀に入れて提供。殿様はそのサンマがまずいので、「いずれで求めたサンマだ?」と聞きます。「はい、日本橋魚河岸で求めてまいりました」「ううむ。それはいかん。サンマは目黒に限る」というオチです。
 今は、おいしさと希少性で人気の食べ物でも、昔は、今ほど珍重されなかった食べ物は他にもあります。
 例えば、マグロのトロ。江戸時代は赤身が上品とされ、脂が多い大トロは「猫またぎ」。つまり猫もまたいで通り過ぎるほど価値のないものとされていたとか。またニシンの卵、数の子も、身は大切に食されていましたが、卵は捨てられていたようです。私の母も、子どもの頃は、いつも大きな器に数の子が山のように盛られていたと言っていました。
 夏の終わりから秋にかけては、大好きなサンマの季節。脂が乗ったサンマと大根おろしの組み合わせは鉄板です。そのサンマの値段を気にしなくてはならないどころか、丸々太ったサンマが食べられない日が来るとは、思ってもみませんでした。

私の名古屋グルメ。みそ煮込みうどんとカレーうどん

 先週は、名古屋市に講演に行きました。せっかくなので名古屋名物をいただこうと、目指したのは「山本屋本店」。食べたいものは、もちろん“みそ煮込みうどん”です。
 新幹線改札方向の駅地下エスカに店舗があり、便利なのでそこをよく利用しますが、他店舗に比べて高いのが玉に瑕。例えば基本の“味噌煮込みうどん”はエスカ店では1200円なのに、地下道を5分ほど歩いたルーセンタワーB1の店舗では700円。名古屋コーチン入りは、前者は2100円、後者は1200円。およそ倍です。そうそう、名古屋には「山本総本家」という名称のみそ煮込みうどん店もあります。似た名前の店があることを知らなかったとき、名古屋の駅ビルJRセントラルタワーの「山本総本家」に入ってしまい、味が変わったとがっかりしたことがありました。あくまでも好みの問題です。私は、「山本屋本店」のどろっとした名古屋メシならではのみその濃さと、ゆで足りないんじゃないかと思えるほどのねちょねちょとした極太麺のハーモニーがたまらなく好きなのです。
 エスカに立ち並ぶ店舗を物色しながら「山本屋本店」を目指して歩いていたのに、なぜか入ってしまったのは「若鯱屋」。いただいたのは、“名物カレーうどん”900円です。兄が名古屋の大学に行っていたとき、おいしいうどん屋があると連れて行ってくれたのが、「若鯱屋」。チェーン展開している「若鯱屋」の元になった店ですが、その「本店若鯱屋」も主が何度も変わり、その歴史はよく分からないとか。だから、味も昔のままなのかは不明です。ただチェーンの「若鯱屋」のカレーうどんは、〇十年前に食べた「若鯱屋」のそれとはまったく異なる味だと感じました。舌の記憶ほどあてにならないものはありませんが、印象は強く残るものでもあります。それを確かめに、次は「本店若鯱屋」を訪ねてみたいと思います。

スケトウダラが高騰。おでんの値上げも必然!?

 お盆が過ぎて、酷暑から一転、秋の長雨。夜の風も涼しくなりました。35℃超えの猛暑日が続いたこの夏、気温が30℃近辺に下がるだけで「体感温度」は早くも秋。今まで見向きもしなかったコンビニのおでんが、急に恋しくなります。
 が今年、おでんが値上がりしそうな情報が入ってきました。はんぺんやちくわなど練り製品の原料になる「スケトウダラ」のすり身の輸入価格が2年前から上昇していて、2017年2月に1kgあたり約240円だったのが、2019年6月には同約401円と、6割ほど上がっているのです。
 理由はやはり、世界的健康志向の高まりで、手軽に魚が食べられるすり身の消費量が増加しているから。確かに、スケトウダラのすり身で作られるカニカマは、「スリミ(surimi)」という名前でサラダのトッピング食材として欧米を中心に定着。フランスでは、スリミと野菜をバゲットよりも柔らかいスエードワ(スウェーデン風パン)ではさんだものが、「スウェーデン風サンドイッチ」という名前で街のパン屋などで広く売られていますし、タイの寿司店では人気のネタになっています。
 マクドナルドのフィレオフィッシュも、全英女子オープンゴルフで優勝した渋野選手がプレー中に食べていたよっちゃん食品工業の「タラタラしてんじゃね~よ」も、私が大好きななとりの「チーズ鱈」も、材料はスケトウダラです。
 名前は知っていても、サンマやマグロと同じ魚として認識することがほとんどなかったスケトウダラ。ここに来て初めて、親しみと愛情を感じています。