豆加工食品第二弾! フジッコの「ダイズライス」

 クラウドファンディングで購入(支援)したフジッコの「ダイズライス」が届き、早速、試食をしました。

 フジッコは、“新しいお豆生活”を提案する新ブランド「Beanus(ビーナス)」を立ち上げていて、その第1弾として大豆粉と大豆タンパクを主原料にした米状の食品「ダイズライス」を開発。一般販売に先駆けて、クラウドファンディングで支援を募りました。目標金額50万円に対し、集まった支援金は2,616,400円。627人が支援しました。

 届いた試作品は、プレーン、ガパオ風、トムヤム風に味付けしたもの、黒ごまいなりと梅いなりです。いずれも3分ほどレンジ加熱していただきます。

「ダイズライス」の特徴は、低糖質・高タンパク質なこと。プレーンは、1パック150g当たり24.6gのタンパク質を摂取することができます。食感は、周りは軟らかで、弾力とプチッとした食感があり、炊き立てのワイルドライスに少し似ています。

 これに先駆け、mizkanグループの「ZENB NOODLE」を試食したとき、豆の匂いが苦手だっただけに、今回も・・・と予想はしていましたが、やはりプレーンは、加熱直後は特に、豆の香りが強く感じられました。「ZENB NOODLE」を試食したときの敗因は、「うどんやパスタのように食べられるヘルシー麺」という思い込み。ですから今回は、「大豆で作った食品であり、米ではない」と強く言い聞かせていました。強い風味を付ければ無理なく食べられます。粘りがあるので、ソースで和えたり、エスニック風、リゾット風に仕上げたりしたほうが合うと思いました。

 一般の人が必要とするタンパク質の量は、体重1kgあたり0.8gです。 例えば、体重50kgの女性なら、1日当たり40gが目安となります。プレーン1食分のタンパク質量(24.6g)は、コンビニで売られているサラダチキンの平均よりやや多いぐらいです。ご飯1食分を「ダイズライス」に替えてサラダチキン1個を食べれば、必要なタンパク質量は摂取できます。問題は、好みに合うか否かと、続けられるかです。

罰則規定ばかりが目立つプラスチックごみのリサイクル法

 3月9日、政府が「プラスチック資源循環促進法案」を閣議決定しました。プラスチックごみのリサイクル強化や排出削減に向けた新法案です。

 日本の場合、リサイクルの3つの方法のひとつ、プラスチックごみを燃やした際に得られる熱エネルギーを回収する“サーマルリサイクル”が大半なのだとか。因みに欧米基準では、“サーマルリサイクル”はリサイクルに含まれないそう。プラスチックごみをそのままプラスチック製品に生まれ変わらせる“マテリアルリサイクル”と、化学分解したあとプラスチック製品に生まれ変わらせる“ケミカルリサイクル”だけをリサイクルと呼ぶそうです。

 政府は、家庭から出る食品トレーや菓子袋などを“プラスチック資源”として回収する仕組みを作るそうですが、回収後はちゃんと“マテリアルリサイクル”や“ケミカルリサイクル”に回されるのでしょうか。

 報道を見ていると、「コンビニのスプーンとフォークの有料化」と「飲食店などでの使い捨てプラスチック製品の削減義務付けは、有料化や代替素材への切り替え、使うかどうかを客に確認するなど、何らかの取り組みを求め、怠った事業者には改善を勧告・命令し、従わない場合は50万円以下の罰金を科す」という政府の文言ばかりが印象に残ります。「地球環境のために、プラスチックのリサイクルに本腰を入れて取り組みます。再び製品化しますから、分別してくださいね、きれいに洗って出してくださいね」という国民への話しかけが最初にあるべきだと思うのですが。小泉環境大臣は、「これからは無料でスプーンが出てこなくなる。レジ袋有料化の発展版だ」とおっしゃっていますが、短期間でレジ袋辞退率7割を達成できたのは、国民の協力あってのこと。生活者から共感されなくては、企業も生き残れない時代に、まったく共感されないアピールを連発している日本政府には呆れるばかりです。

[自粛=飲食店の営業時間短縮]の構図が生む“コロナ麻痺”

 緊急事態宣言が1都3県で2週間延長されました。市中には賛否両論ありますが、賛成の声のほうが多いようです。
 2週間延長したら感染者数は減るのでしょうか。会社がある青山骨董通り辺りの昼間の人波は、平常時とほとんど変わっていません。ランチ時、飲食店はほぼ満席。人気店には長蛇の列です。夏頃までは席数を半分に減らして、列に並ぶときは前後の人と1mの間隔を空けてなどと店側も客側も気を配っていたのに、今はどちらにも緊張感はありません。“コロナ疲れ”ではなく“コロナ麻痺”ではないかと思います。最初は、目に見えないから恐れたのに、今は目に見えないから意識できなくなっているのではと。
 何に恐れ、何のために自粛しているのか、そもそも自粛とは何なのか。[自粛=飲食店の営業時間短縮]という構図が立ち過ぎて、生活者一人ひとりの自戒も、それを促す政府のアピールも疎かになっている気がします。初めて緊急事態宣言が発令された昨年4月。街から人が消え、幹線道路を走る車の数も半分以下になりました。国全体が緊張感に包まれていたと思います。今は、マスクを掛け、手を除菌し、夜、飲食店に行かない。それだけが、ウイルス対策になっているかのように感じます。
 この現状で2週間後、感染者数が減るとは、私には思えません。必要なのは規制ではなく、当たり前のことですが、国民一人ひとりの自覚です。テレビから発せられる行政からの「協力」の声が空気に薄められて耳に届かないのは、「要請」の声の方が強く響くから。私を疲れさせている元凶は、そこにあります。

コロナ禍で拡がる朝市場。2006年のキーワードは【席朝族・ソト朝族】

 緊急事態宣言により夜の完全営業が難しい飲食店が、開店時間を早め、朝メニューを提供するなど、“朝市場”にチャレンジしています。
 “朝市場”が注目され始めたのは、2006年。景況感D.I.が6.1と高かった時代です。景況感D.I.とは、「1年前と比べて最近の景気はどう変わったと思いますか」という質問に対し、「良くなっていると思う」から「悪くなっていると思う」を引いた数字です。因みに昨年12月の景況感D.I.は、マイナス70.2でした。
 06年、私は、【席朝族・ソト朝族】をトレンドキーワードに挙げました。朝食を会社のデスクで摂る“席朝族”、外食で済ます“ソト朝族”が増え、朝食の場が家庭の食卓に限らなくなったのです。忙しくて朝食を自宅で食べられないビジネスパーソンのために、朝食代用食品や朝食提供サービスなどが次々に開発されました。
 コンビニでは、朝食を会社の席で食べる“席朝族”のために、朝食にちょうどよいボリュームで手軽な価格の弁当やおにぎり、ボーッとした頭に栄養を運ぶ、栄養食品やチョコレートなどが積極的に販売され、一方、朝食を外食で済ませる“ソト朝族”のために、ファミリーレストランやファストフード店は朝食セットを強化、早朝営業を始めました。
 現在の“朝市場”は、飲食店の苦肉の策が生み出したものかもしれませんが、朝から焼肉やラーメンを求める人たちからは、「朝からガッツリ食べると元気になれるし、リフレッシュできる」との声が寄せられているとか。景況感が高い中、忙しく働く生活者のニーズから生まれた06年の“朝市場”とは異なりますが、生活者の“朝の元気”と“前向きな気持ち”を支えているという意味では、同じかもしれません。

商品を買いたいだけなのに。CFの不都合さ

新型コロナウイルス下で大活躍している、クラウドファンディング(CF)。購入型CFを運営するマクアケは、2020年9月期の購入総額が前期比で2.7倍増えたといいます。
製品を開発したり活動を始めたりした経緯、そこへの熱い思いなどを伝え、共感した生活者から資金を集め、のちに製品や活動報告を送るなどの循環が生まれるのが一般的なCFの仕組みです。アイデアはあっても開発する資金がない個人や中小企業が利用するケースが多いのですが、最近は大手企業も、生活者の反応が分かる、共感を得やすい、ファン作りができるなどの理由で、新商品の試験販売にCFを利用しています。
私も大手食品会社の“ある商品”が欲しくて、CAMPFIREというCFサイトを利用しました。最初にアクセスしたときは限定数に達していないのに“0ut of stock”。暫くすると第二弾のお知らせが入り、即支援(購入)しました。その後の報告では、第二弾は1日を経たずして完売したそう。そして第三弾があるかもと思わせぶりな言葉も。後日やはり、第三弾のお知らせが入りました。
私は、この商品に興味を持っただけで、食べてもいないのに共感はできません。もちろん会社を応援する気持ちも今はありません。ただ商品を試してみたいだけです。普通にECサイトで販売してくれれば、もっとラクに買えるのにと正直、思います。CFを利用する側の思惑がちらついて、素直に買いたい生活者をイラッとさせるのはいかがなものかと。その後、CAMPFIRE経由で食品会社からメッセージが数回届き、CAMPFIREのネット広告がポンポン。「廃棄せざるを得ない肉」から「難病を患った犬」まで、支援を求める声声声。それを無視し続けているうちに、自分が人非人に思えてくるのもいかがなものかと。

新商品を試食するときの心得

 新しい商品を試すとき、その食品に何を期待するかによって、評価が大きく変わります。
 mizkanグループの「ZENB(ゼンブ)」ブランドから、黄エンドウ豆のヌードルが発売されました。パスタやうどんに比べて食物繊維とタンパク質が多く、糖質が少ないのが特徴です。
 私の勝手な思い込みは、「うどんやパスタのように食べられるヘルシー麺」。しかも米国で代替肉の素材として利用されているアレルギーの心配が少ないエンドウ豆が使われていることに、余計な好意が生まれました。
 添付のレシピブックでまず勧められた食べ方は、「たまごかけヌードル」。ゆでたZENBヌードルに生卵をのせてしょうゆをかけるだけのシンプルな食べ方です。「まずはこれで、素のおいしさに感動して欲しい」というMizkanからのメッセージを強く感じ取り、その通りにいたしました。これがいけなかった。粉っぽくて豆臭い。「(ゆで湯に)塩を入れなくてもおいしく食べられます。」とあるので、そろそろ血圧が気になる私は、このメッセージも有り難く受け取り、その通りにいたしました。これもいけなかった。濃い味のソースをかけたり、焼きそば風に料理したりするのならいいのですが、「たまごかけヌードル」や、同梱されていたやさしい味わいの「きのこベジクリームソース」をかけると、味がぼけるのです。“釜玉うどん”や“クリーム仕立てのパスタ”を期待した時点で齟齬が生じているのです。
 知人は、豆の香りが拡がっておいしかったと。因みに、塩を入れてゆでたそうです。私も豆は大好きです。でも頭の中は、うどんやパスタ。だから「粉っぽくて豆臭い」と感じてしまうのです。「エンドウ豆の加工食品」と思って食べれば、「豆の味がしっかり出ていておいしかった」と、感想も違っていたことでしょう。

売上確保の手段 “ゴーストFC”。慎重な選択を

 青山骨董通りのニッカウヰスキー本社ビル地下1階に「パブレストラン うすけぼー」があります。オープンは1982年。レンガの壁、Nikkaの文字が彫られた椅子、帆船の模型、ウイスキーが並ぶバーカウンターなど、昭和のモダンな面影が店内の至る所に感じられるなかなか趣のある空間です。
 たまにランチに行くのですが、先週月曜日に行ってびっくり。表に、「旭川味噌ばんから」の看板と開店祝いの花が。どうやら、株式会社花研が展開する「ばんから派出所」、つまり、ばんからラーメンのゴーストフランチャイズに加盟したようです。ラーメン待ちの客にラーメンが一斉にサービスされると、私の周りは一気にトンコツ背脂の匂いに包まれました。食べていたカキフライの味も変わりそうな強さです。
 ランチタイムとはいえ、香りにこだわるウイスキーをウリにしている「うすけぼー」が、トンコツ背脂の匂いを充満させていいものなのか、厨房に匂いと脂がこびりつくのではないかと、何だか心配になりました。
 金曜日、もう一度行ってみると落ち着いた雰囲気に戻っていました。店員によれば、ラーメンとランチメニューのオーダー比率は6対4。ラーメン導入でランチメニューを大幅に削ってのこの比率。ランチメニュー、かなり健闘しています。時短営業要請解除後もラーメンを続けるのかと聞くと、“しばらくは。ただランチメニューは元に戻していく”とのこと。
 パブレストランなのに夜の営業が充分にできない大変さはよく分かります。売上確保のためにいろいろな手段を講じることも大切です。でもその手段が、自店の魅力を損なわないとも限りません。知り合いの年嵩の男性は、「キープしているボトル、返してもらおうかな」と冗談とも本気ともつかぬことを。気持ちは分かります。

カジュアルイタリアンのチャレンジメニュー、餃子を堪能

 会社の近くにカジュアルなイタリアンレストランがあります。週に1、2回ランチに行きます。ランチも人気ですが、ディナーも貸し切りや近隣のお客様のちょい飲みで賑わっています。
 1/8に発出された夜8時までの営業自粛要請。どう対応しているのか聞くと、客数が予想しづらいためディナー用のメニューは休止してランチメニューの延長で対応。加えて、カレーと餃子をディナー向けに開発したとのこと。
 カレーは分かりますが、餃子???。聞けば、豚肉とラム肉の2種を用意しているそう。どんな餃子なのか、興味津々。先週、店が空いている夕方を狙って食べに行きました。
 豚肉は焼き餃子が、ラム肉は水餃子がおすすめとか。ならばと、その通りに3個ずつオーダーしました。ラム肉の水餃子には、ローストしたナッツ、ごま、スパイスをブレンドした中東発祥のデュカがかけられていて、スパイスの香りがラム肉にぴったりでした。中東では、肉と言えばラムが一般的。合うワケです。肉汁がジュワーッと溢れ出し、そのままでとてもおいしくいただきました。豚肉の焼き餃子も、肉々しくて具のボリュームたっぷり。皮が重たくないので、炭水化物ではなくタンパク質を摂っていると感じられます。
 聞けば、お土産に生餃子を求めるお客様もいらっしゃるとか。“餃子がおいしいイタリアン”が近くにあるのはうれしいこと。飲食店の試行錯誤やチャレンジが、新しい魅力を作り出しています。
 どうしても確かめたくて、ラム肉の焼き餃子と豚肉の水餃子も3個ずついただきましたが、やはり、おすすめが正解でした。

介護食向け調理家電と健康維持に役立つトイレ

 先週に引き続き、今年1月、オンラインで開催された「CES」で紹介された“食と健康”に関するテクノロジーを紹介します。
 ひとつめは、パナソニック発の技術・アイデアで次世代を牽引する事業を育成・創出することを目的として設立したBeeEdgeの投資事業会社「ギフモ」の「DeliSofter(デリソフター)」。ステーキや煮物など料理を入れてボタンを押すだけで軟らかくなるという、介護食向けの調理家電です。詳しい構造は分かりませんが、おそらく加圧蒸気によって軟らかくすると推測します。喫食者の状態に合わせて、歯茎で潰せる段階まで軟らかさを調節できます。何よりも有り難いのは、軟らか食を別に調理しなくてもいい点。家族の料理を1人前取り分けて「DeliSofter」にセットするだけです。難を言えば、過加熱になるため野菜などの色が悪くなること、ステーキと野菜の付け合わせを一緒にセットした場合、堅い食材に合わせるため、野菜が軟らかくなり過ぎること。更なる進化を求めるとしたら、%を指定すると余分な塩分が抜ける機能があれば、より介護食として完璧かなと思います。難しいことだとは思いますが。
 もうひとつは、TOTOの「ウェルネストイレ」。その名の通り、健康維持に役立つトイレです。トイレの便座と皮膚が接することを利用して血流データを、また尿や便からの臭気データを収集。健康に関するレコメンドをスマートフォンを介して利用者に伝えることを想定しています。今はまだコンセプトレベルですが、数年内の実用化を目指しています。

指示待ちしない家事ロボット

 毎年1月、ラスベガスで開催される「CES」。世界160ヵ国以上から17万人強が訪れる世界最大のコンシューマーテクノロジー展示会ですが、新型コロナウイルス禍の今年は、初めてオンラインで開催されました。
 最先端のテクノロジーが集まるイベントだけに、無人オペレーション(自動運転)から画面が拡がるスマホまで、何を見ても聞いても驚き、興味を惹かれるものばかりですが、その中から“食と健康”に関するものを今回と次回の2回に分けてご紹介しましょう。
 コロナで家事負担が増えた生活者の期待を集めそうなのが、サムスン電子が紹介した家事ロボット「Bot Handy」。アームがあり、モノを掴むことができます。例えば、シンクに溜まった皿を一枚一枚掴んで食器洗浄機にきれいに並べたり、花を花瓶に差したり、ワインをグラスに注ぐことも。大したことないと思われそうですが、モノの形状や堅さを認識してちょうどよい力加減で掴むことはとても高度な技術です。
 サムスン電子は昨年の「CES」で、知能型コンパニオンロボット「Ballie(ボーリー)」を発表しました。手のひらサイズのカメラ付きボール型ロボットで、常に家の中を動き回ってモニタリングしてくれますから、家主はスマートフォンで、外出先からでも家の様子が確認できます。それだけならただのカメラですが、「Ballie」は、西日が差してくれば電動カーテンを稼働させ、ペットが部屋を汚せばロボット掃除機を起動させます。このテクノロジーがおそらく「Bot Handy」にも利用されているのでしょう。動画の中には、椅子に掛けられた洗濯物を掴んでランドリーらしき場所に運ぶシーンも。まだ実用化には至っていませんが、指示をすることなく率先して家事を手伝ってくれるロボットとしての開発が続くのだと思います。