ウクライナは、ヨーロッパの穀倉地帯であることはよく知られています。上部が青色、下部が黄色という二色の国旗は、空と麦を表わしていると言われ、「ヨーロッパのパン籠」「ヨーロッパの穀倉」と表されます。
日本は小麦の約9割を、米国、カナダ、オーストラリアから輸入しています。昨年10月、輸入小麦の売り渡し価格は、過去2番目の上げ幅(19%)になりました。理由は、地球温暖化が原因とされる強烈な熱波による小麦の不作。北米の太平洋岸のいくつかの都市では、最高気温が50℃近くまで上がり、オーストラリアでは山火事が収まらずコアラの痛々しい姿を映した映像が地球上を駆け巡りました。
さらに農林水産省は3/9、今年4月からの売り渡し価格を、昨年10月よりさらに17.3%引き上げると公表しました。フジパンと敷島製パンは、今年1/1納品分から値上げをしています。4月以降、カップ麺や冷凍うどんなども値上げされる予定です。そして4月の売り渡し価格引き上げに加え、ウクライナの戦禍。パンや麺類の価格がどこまで上がるのか、予想ができません。
これを期に、朝食をパン派からご飯派に切り替える生活者も増えるかもしれませんね。米5kg 2500円(税込)としてご飯1膳分(150g)の価格は34円(ガス代や電気代、水道代を加えるとおよそ+5円)、食パンの平均価格が1斤180円(税込)として6枚切り1枚の価格は30円。ご飯のほうが手間が掛かるし、みそ汁やちょっとしたおかずも必要。一方、マーガリンも値上がりしていて、食パン1枚に15g塗ると+12円。さあ、どうしましょう。
投稿者: himeko company
やっと定着するかも? マイボトル
ファミリーマートは3/9、東京都内の10店舗でプラスチック製のフォークと先割れスプーンの配布を休止する実証実験を約1ヵ月間行うと発表しました。
プラスチック削減で最近目立つのは、マイボトル推進活動です。魔法瓶メーカーのサーモスは昨年、マイボトル持ち込みを前提としたテイクアウト専門のコーヒー店「THERMOS COFFEE TO GO」を東京・西新橋と大手町に出店。飲みたい量だけ無駄なく買える“量り売り”でオリジナルブレンドや紅茶などの販売を始めました。一方、象印マホービンは今年2月、マイボトルを活用したモバイルオーダーサービス“ZOJIRUSHI MY BOTTLE CLOAK”の実証実験を始めました。飲食店が顧客のマイボトルを預かり、洗浄して保管。同社のLINE公式アカウントを使って顧客が飲料を注文、決済すると、店舗側はマイボトルに飲料を入れて準備し、顧客へ通知を送信。マイボトルの受け取りと返却は、店舗付近の専用ロッカーや店頭で行います。また日本コカ・コーラは、マイボトルやマイカップの内部を洗う洗浄機を併設した、炭酸水と水の自動販売機を導入。実証実験を開始しています。
プラスチック削減のためのマイボトル、マイカップ推奨の活動はかなり以前から行われています。例えば2007年、スターバックスコーヒーは井の頭公園店で、無料でマグカップを預かるサービスを実施。マイカップを使うと20円割り引きされるサービスは口コミで広がり、利用者は約300人に増えたといいます。2010年、横浜市立大学など3大学は、500個の携帯用ステンレス魔法瓶を学生に配り、給水機の数を増やしたところ、学生から高評価を得たという結果を公表しています。
よいことと分かっていても、生活者にとっては面倒なこと、企業にとっては売り上げが落ちたり経費が掛かったりすることは、長続きしません。現在のように、世の中の大きな流れが必要なのです。
食べ物を食べ物に例える話
出勤の支度をしながらAMラジオを聴くのが朝の習慣です。ニュースや街の情報が端的に分かるのが魅力ですが、何より、リスナーのメールやツイートはまさに「時代の空気」そのもの。興味深いです。
ある朝の番組で、「友だちが“森のバターと言われているほどおいしいのよ”と言ってアボカドを出してくれたが、バターとはほど遠い味で、バターのようにおいしいものではない」という内容のメールが紹介されました。これをきっかけに、話は食べ物を別の食べ物に例えた表現に。「大豆を畑の肉と呼ぶが、大豆はそもそもおいしくて立派な食品。わざわざ肉に例えなくていい」「カキのことを海のミルクというのもおかしい。たしかにカキの白い所はミルクみたいな見た目かもしれないが、口に入れたときの味はミルクとはほど遠い」とか。
私の頭にたくさんの“?”が浮かびました。
アボカドを“森のバター”、大豆を“畑の肉”、カキを“海のミルク”と呼ぶのは、味が似ているからとか、そのくらいおいしいからとか、が理由ではなく、バターのように、肉のように、ミルクのように栄養価が高い、または栄養成分が似ているからなのでは? 栄養成分が似ていれば、もちろん味も似ています。例えばアボカドは良質な脂質を多く含んでいるので、バターのような滑らかな口当たりです。大豆も言わずと知れた、植物性タンパク食品の雄。プラントベースミートの材料です。カキも牛乳のように栄養価が高く、真ガキのうま味が凝縮されたクリーミーな味わいをミルクと表現しているのだと思います。
番組のMCは、春風亭一之輔氏。博学の落語家さんだけに、話を盛り上げるためにわざと・・・かもしれませんね。
コンビニで冷凍のお刺身買ってみた
ローソンで冷凍のお刺身を買いました。「カンパチお刺身」と「真鯛お刺身」、いずれも税込498円です。
「カンパチ」は鹿児島産の養殖カンパチ、「真鯛」は高知産の養殖マダイを使用しています。委託先の工場で切り身にした後、株式会社テクニカンの液体急速凍結機「凍眠」で冷凍され、店舗に届きます。テクニカンのHPによると、【液体凍結とは、パックした食品をマイナス30℃の液体(アルコール)で冷凍する手法 ~ 通常の冷凍庫は「冷たい空気」で冷凍しますが、凍眠は「冷たい液体」を使って冷凍します。】とのこと。
商品の内容量は、どちらも40g。お刺身というより薄切りが6枚。しょうゆとわさびが付いています。スーパーのお刺身に比べれば、確かに高過ぎる、そして、かなり薄過ぎる。解凍方法は流水で10分。生活者が水道代をもったいないと思うぎりぎりのところを考えると、厚くはできないのか。急速冷凍にコストがかかるのか。お刺身の弾力のある歯応えと噛むほどに強くなるうま味を期待するのは無理ですが、どうしてもどうしてもどうしてもお刺身が食べたいときに、わさびじょうゆをたっぷり付けて、また食べてみようかなと思いました。
コンビニで初めてお刺身を販売したのは、ファミリーマートで2008年のことです。中高年層を取り込むために『刺身亭』のブランドで、「まぐろのたたき」や「たこスライス」などの販売を始めました。その後、「活〆かんぱち&甘海老」「サーモン単品盛り」など切り身商品も出たのですが、いつの間にか止めてしまいました。コスト面、流通面、管理面でいろいろと難しかったのでしょう。野菜、精肉と来て、次は鮮魚、特にお刺身。期待しています。
中国で盛んなダチョウビジネス
1月、夜の車道をダチョウが爆走している中国の映像をニュースで見ました。近くの農場から逃げ出したとのこと。中国では近年、ダチョウビジネスが盛んで、短期間にダチョウ飼養企業が次々に誕生。その数は優に200社を超え、このほかに小規模な飼育場が多数存在しているといいます。
中国でダチョウビジネスが急速な成長を遂げてきた背景には、①広大な牧草地帯などは必要なく、限られた面積で飼育が可能 ②飼育管理に手間が掛からないうえ、 繁殖力が強く、 かつ乾燥や高温といった厳しい気候にも耐性がある ③飼料は、草や茎、ふすまや豆かすなど「粗食」でよい ④肉質は、高タンパク、低脂肪、低コレステロールのヘルシーミート ⑤卵は、大きいもので鶏卵30個分。しかも1羽が産む数は、年間50~100個。かつ長期間に渡り産卵が期待できる ⑥皮は、言わずと知れた「オーストリッチ」。クイルマークと呼ばれる独特なドット柄の羽軸跡は、日本の女性にも人気の高級レザー ⑦羽は、衣装の飾りに使われるほか、車のほこり取りとして今でも人気。つまり、飼育効率が高い、捨てるところがない家畜なのです。
日本で近年、ダチョウの話題といえば、やはり「ダチョウ抗体マスク」でしょう。ダチョウの卵を使って生成したウイルスの抗体を塗ったマスクです。ダチョウ抗体は、安価で素早く、大量生産できる点で、新種のウイルスが原因のパンデミックに対し、かなり有効な対策になります。因みにダチョウ抗体は、新型コロナウイルスの変異株にもしっかり結合することを、京都府立大学塚本康浩学長の研究グループが確認しています。
グレードアップしたモスが楽しめる「キッチンカー MOS50」スタート!
1/25、モスフードサービスの創業50周年を記念した新プロジェクト「キッチンカー MOS50(モスフィフティ)」のお披露目に伺いました。場所は、「洋服の青山 大田久が原店」の駐車場。今回のプロジェクトに関しては、青山商事が協力。駐車場の貸し出しはもちろん、スタッフのユニフォーム、50周年記念のトレーナーやパーカーも、青山商事がデザイン。トレーナーとパーカーは、隣接店舗で販売しています。
「キッチンカー MOS50」で販売される商品は、モスバーガーとテリヤキバーガーをグレードアップした“50th MOS”(680円)と“50th TERIYAKI”(680円)。それと、“50th MOS Cheese”(740円) “Cheese BURGER”(490円) “Plain BURGER”(430円)の5種。フライヤーは設置できなかったということで、“フレンチフライポテト”はありませんし、ドリンク類もなし。ついつい店舗と比較してしまいますが、キッチンカーです。広さと電力量に限りのある厨房でするべき最上の戦略は、やはりバーガーに一点注力することです。
お味の方はといえば、これがかなりおいしい。もちろん味には定評があるモスバーガーですが、その定番のおいしさをさらに引き上げているという説明がよく分かる味です。たまたまモスバーガーのパティやソースを製造している紅梅食品工業株式会社の堀口社長とお会いし、お話を伺ったところ、パティの肉の切り方にかなりこだわったそう。ミートソースもバンズも、すべてがグレードアップしています。そして、それらがしっかり調和して全体のおいしさを高めているのです。
私の生活圏にモスバーガーはありません。「キッチンカー MOS50」が近くに来てくれたらとってもうれしいし、1ファンとしては、どんどん増やしていただきたい。モスバーガーを食べるとき鼻にミートソースが付く私には、家で食べるほうが都合がいいのです。
2022年1月1日 1アカウント3,300円(税込)/月で閲覧できる「食のトレンド情報Web」をリリースしました。
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またも出された「まん防」と飲食店への要請
1/19、13都県に「まん延防止等重点措置」が適用されました。期間は、1/21~2/13。東京都は、“不要不急の外出は自粛し、混雑している場所や時間を避けて行動すること”“営業時間の変更を要請した時間以降、飲食店等にみだりに出入りしないこと”を都民に呼びかけています。
“みだりに”ってどういうこと? 違和感を覚えて調べると、「秩序をみだして。むやみに。わけもなく。思慮もなく。無作法に。しまりなく。」(広辞苑)という意味なのだそう。私は、今まで一度たりとも、「秩序をみだして。むやみに。わけもなく。思慮もなく。無作法に。しまりなく。」飲食店に行ったことはありません。「おいしい料理が食べたくて。うまい酒が飲みたくて。楽しい会話がしたくて。人に会いたくて。非日常を体感したくて。」飲食店に行きます。だから私は“営業時間の変更を要請した時間以降、飲食店等に出入りしてもいいこと”になります。
飲食店への要請は、相も変わらず、営業時間の短縮と、酒類の提供の可否と提供時間の規制、そしてグループ客の人数制限です。またも飲食店に数字を提示しての要請。これによって、爆発的に増加した新型コロナウイルス感染者が劇的に減少すると信じている国民は、果たしているのでしょうか。オミクロン株は、子どもから親にうつる家庭内感染が増えていますし、空気感染も疑われています。ワクチン接種が進んでいる国にも容赦なく拡がり、ブースター接種の有効性に疑問をもつ生活者も増えています。
正しく恐れて、賢く予防する―。日本人にとっての最良の対処法ではないでしょうか。
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夢中になった料理番組「世界の料理ショー」
昔、大好きな料理番組がありました。「世界の料理ショー」です。昔というのは、いつの頃見ていたのか覚えていないからです。
今はウィキペディアという、大変便利なツールがあります。それによると「世界の料理ショー」は、1968年~71年、カナダ放送協会で放送されたテレビ番組で、日本では1974年~79年、東京12チャンネル(現:テレビ東京)が放送。それを機に、日本各地の放送局が再放送を含めて断続的に放送したとか。
登場するのは、グラハム・カーという男性の料理研究家。おしゃれなキッチンとリビングルームのセットに観客を入れてのスタジオ。そこでグラハム・カー氏が、楽しいというより笑えるおしゃべりをしながら、世界各地を旅して味わった料理を再現して見せるのです。ゴージャスな雰囲気、リッチでおいしそうな料理、愉快なグラハム・カー氏、巧妙でラフな進行。そのすべてに魅了されました。それは私にとってまさしく、「パートリッジ・ファミリー」や「奥様は魔女」といったアメリカのテレビドラマと同一線上にある、アメリカンな料理番組だったのです(カナダで制作されていたのですが)。
もちろん、紹介された料理をいくつか作りました。その中でも強く記憶にあるのは、英国の“パン粉とはちみつのパイ”。パイ生地の中身は、はちみつでしとらせたパン粉だけなのです。驚きのレシピですが、これがおいしかった!
グラハム・カー氏は料理をするとき、ジャケットは脱ぎますが、ネクタイはしたまま、シャツの袖もまくり上げません。油が飛んだり、シミが付いたりしそうでちょっとハラハラ。そんな庶民の心配をしている私に、彼の手の動きがとても上品で優雅に見えたことを、今でもよく覚えています。
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withコロナが常態化した日本の年末年始
今年のお正月も、自宅でのんびりと過ごしました。一昨年は息子の受験、昨年は新型コロナウイルスと、正月の遠出を控える状況が続き、3年目となる今年は、新事業立ち上げで溜った疲れの回復とオミクロン株を理由に、飲んで食べて寝てを繰り返していました。
ただ、年末は少し外出をしました。渋谷の「東急フードショー」におせちの買い出しに行き、「六本木ヒルズ」に映画を見に行き、ついでに「ラトリエ ドゥ ジュエル・ロブション」でシャンパーニュを楽しみ、家の近くのイタリアン「イル・パチョッコーネ・カゼイフィーチョ」で21年最後の外食を堪能しました。
どこに行っても賑わっていて、withコロナが常態化しているのを感じました。聞けば、渋谷のスクランブル交差点では、主催者不在のカウントダウンで大盛り上がりだったとか。マスクと消毒が当たり前になっている日本においては、だれもが気を付けているだろうという信頼感と安心感が強く、ウイルスに対する危機感も大分薄まってきているように感じます。
因みに、年末、以前から約束していた友人との外食をしようと、急遽、馴染みの飲食店のいくつかに予約の電話を入れたのですが、すべての店が満席でした。オミクロン株のここまでの拡がりを予期していなかったその時は、心の底から外食市場が回復しつつあることをうれしく思いました。
結婚後、初めておせちの準備をしませんでした。別に暮らしている夫が、じゃが芋入りの筑前煮を作りました。普段、おかずとして作っているそうで、ボリューム感が欲しくてじゃが芋を入れるようになったそうです。料理においては正統派を自認する私には違和感がありますが、根菜の滋味をたっぷり含んだ甘辛味のじゃが芋は、確かにおいしかったです。
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しみじみおいしいと思った日本酒
来年から始まる弊社の新事業「食のトレンド情報Web」の成功を祈願して、氏神様の渋谷「金王八幡宮」で御祈祷を受けました。帰りがけに神主さんからいただいたのは、「社員の皆さん全員が正しくできる会社は珍しい」と玉串奉奠の作法に対するお褒めの言葉。さすが、ひめこカンパニーです。そして、お札とお神酒も頂戴しました。
お神酒は、灘の辛口「剣菱」。私の好きな日本酒です。会社に戻り、スタッフ全員で乾杯をしてもまだまだ楽しめる一升瓶。ちょうど寒くなってきたこの頃。冷えた身体を温めるのに、もってこいです。
「剣菱」があるとランチのメニューも変わります。まずはコンビニでおでんを買って。和辛子は必須です。ツーンとした辛さに「剣菱」のすっきりとしたふくよかさがよく合います。翌日は、鶏団子と白菜の煮物、そしてみぞれがちらついた次の日は、鍋焼きうどんです。気温がぐっと下がる夕方、ぬる燗で一杯、二杯・・・。そうこうしているうちに「剣菱」は空になりました。
蒸留酒は太らない―。それを信じて、ビールよりウイスキー、日本酒より焼酎を選んでいましたが、久しぶりに日本酒をいただき、しみじみおいしいと思いました。お神酒だからか、剣菱だからか、季節のせいなのか、年齢のせいなのか。今年の冬は、新事業の成功を祈願しながら、日本酒を楽しもうと思います。