食糧不足や地球環境への懸念、動物愛護、ベジタリアンの増加、ヘルシー志向の広がりを受け、肉や魚以外のタンパク源への関心が、世界的に高まっています。中でも米国では、植物性ミートの開発が盛んで、普通の肉と遜色のない味わいのレベルにまで達している商品が、既に一般に販売されています。
近年米国で開発されている植物性ミートは、従来の大豆で作られたベジタリアン向けパティとは異なり、味や食感、香りなどをできる限り本物の牛肉に近付けているのが特徴。食品ベンチャーの「インポッシブル・フーズ社」が開発した植物性ミートのパティは、現在、全米50店以上のレストランで提供され、昨年夏にはロサンゼルス発の高級バーガーチェーン「ウマミ・バーガー」のメニューにも加わりました。また、同様の植物性ミートを開発した「ビヨンド・ミート社」は、ホールフーズなど小売店を通じた販売経路に注力していて、同社のバーガー用パティ“ビヨンド・ミート”は全米3000以上の小売店で扱われています。またこのパティを使用するビーガン向けの新しいハンバーガーチェーン「ネクスト・レベル・バーガー」は、西海岸で急速に拡大中です。実は数年前、三井物産は「ビヨンド・ミート社」に出資をしていて、今年、日本に輸入。高級外食店を中心に売り込みを開始します。
日本の食市場においては3月、オランダの最高級フェイクミート‟ベジタリアンブッチャー”を使ったメニューを提供する豚焼肉専門店「BUTAMAJIN池袋店」がオープンしています。‟ベジタリアンブッチャー”は、国内で流通する大豆ミートとは一線を画すクオリティで、見た目、味、食感などすべてが本物の肉と遜色がないといいます。ベジタリアンやビーガンが多いインバウンドが続々と来日する2020年に向けて、日本においても植物性ミートのニーズはどんどん高まっていくことでしょう。