過去にも登場した今年のトレンドキーワード-3[和 味]-3

(前号に続く)

 今年のトレンドキーワードのひとつ、[和味]。その魅力は時に、海外から教えられることも少なくありません。
 「寿司・刺身」「天ぷら」「うなぎ」「焼鳥」など、今では世界スタンダードになっている和食。2014年、日本酒や和菓子はもちろん、“弁当”というスタイルまでもが海外において独自に進化。いずれ日本に逆輸入されるかもしれない和味を、[新和食]というキーワードで紹介しています。例えば、米国・NYでは、ユダヤの伝統料理に和食の要素を加えた斬新な創作料理店がオープン。ユダヤ人シェフと日本人シェフが作る創作料理と日本酒の組み合わせが人気になりました。フランス・パリの高級ホテルでは、前菜、主菜、デザートのコース料理を重箱のような黒い弁当箱スタイルで提供。パリっ子たちの評判を呼びました。15年、世界的[和食人気]は深化を伴いながら拡散。料理そのものではなく、日本の食の繊細さ、芸術性、理に適った奥深さに惹かれる外国人が増え、和食に対する評価はゆるぎないものになったのです。
 この2年間で印象深いのは、14年に[UMAMI]、15年に[だしブーム]というキーワードが登場したことです。ヘルシー志向を受けてバターやクリームの使用を控えるムードが料理界で高まる中、ジョエル・ロブションやフェラン・アドリアなど先鋭的なシェフが鰹節や昆布のうま味で素材の持ち味を引き出す調理法を探求。だしとうま味の存在が、世界で認知され始めました。
 そして日本では。鰹節ならぬ“鴨節”や“鶏節“、貝だしなど新しいだしの世界が広がり、若者の間でだしが注目されました。冷えただしをつまみに日本酒を味わうバーや、昆布だしがベースのスープが楽しめるスープスタンドが登場。顆粒タイプのだしの味で育った若者にとって、丁寧に引かれただしの味は生まれて初めて出合う驚きの味だったようで、若者が日本伝統のだしのおいしさを再発見したことがブームの源泉になっていました。(次号に続く)