ここ数年、積極的に酢飲料を飲む生活者が増えています。中でも人気なのは、健康によいイメージが定着している黒酢と果実酢。黒酢商品では、タマノイ酢のロングセラー「はちみつ黒酢ダイエット」や、果実酢では100%果実発酵酢から作られたCJジャパンの「美酢(ミチョ)」など、長く人気を誇る商品が多く、Mizkanやキユーピー醸造も、業務用を含めてさまざまな酢飲料を販売しています。
今年3/25、Mizkanは30~40代男女をターゲットに、“気になるカラダまとめて対策飲料”と謳う機能性表示食品のビネガードリンク「NEW酢SHOT(ニュウスショット)」を発売しました。同社史上最大レベルの酢酸を配合したこの商品。酢酸には、血圧が高めの人の血圧を下げる機能、日常生活で生じる運動程度の一時的な疲労感を軽減する機能、肥満気味の人の内臓脂肪を減少させる機能があることが報告されています。酢愛好者が、性別、年代に関係なくどんどん広がっているようです。
Mizkanが2009年に発売した「やさしいお酢」は、“ツンとこない”酢を目指して作られた酢調味料。鶏肉の煮物や魚の照り焼きに使うなど、今までの酢にはないレシピを提案し、酢を料理に使うことが少なかったターゲットの掘り起こしに成功。酢が苦手な人にも受け入れられてヒットしました。続いて登場した既存商品をリニューアルした「カンタン酢」は、今やMizkanの稼ぎ頭。20年には飲食店向けに「ぽん酢」を使ったアルコールドリンク“ぽん酢サワー”を提案するなど、酢の利用範囲も広げています。元々、日本古来の発酵食品であり、身体によいと言い伝えられてきた酢。ツンとしなければ万人受けするのは当然です。
“子どもと男性は酢が苦手”。なんとなくそう思っている人も多いのでは。確かに、昭和時代の酢には、吸い込むとむせるような、ツンとした角がありました。まろやかな酢味もいいのですが、時には、キリッとした強い刺激が懐かしくなります。