毎年1月、ラスベガスで開催される「CES」。世界160ヵ国以上から17万人強が訪れる世界最大のコンシューマーテクノロジー展示会ですが、新型コロナウイルス禍の今年は、初めてオンラインで開催されました。
最先端のテクノロジーが集まるイベントだけに、無人オペレーション(自動運転)から画面が拡がるスマホまで、何を見ても聞いても驚き、興味を惹かれるものばかりですが、その中から“食と健康”に関するものを今回と次回の2回に分けてご紹介しましょう。
コロナで家事負担が増えた生活者の期待を集めそうなのが、サムスン電子が紹介した家事ロボット「Bot Handy」。アームがあり、モノを掴むことができます。例えば、シンクに溜まった皿を一枚一枚掴んで食器洗浄機にきれいに並べたり、花を花瓶に差したり、ワインをグラスに注ぐことも。大したことないと思われそうですが、モノの形状や堅さを認識してちょうどよい力加減で掴むことはとても高度な技術です。
サムスン電子は昨年の「CES」で、知能型コンパニオンロボット「Ballie(ボーリー)」を発表しました。手のひらサイズのカメラ付きボール型ロボットで、常に家の中を動き回ってモニタリングしてくれますから、家主はスマートフォンで、外出先からでも家の様子が確認できます。それだけならただのカメラですが、「Ballie」は、西日が差してくれば電動カーテンを稼働させ、ペットが部屋を汚せばロボット掃除機を起動させます。このテクノロジーがおそらく「Bot Handy」にも利用されているのでしょう。動画の中には、椅子に掛けられた洗濯物を掴んでランドリーらしき場所に運ぶシーンも。まだ実用化には至っていませんが、指示をすることなく率先して家事を手伝ってくれるロボットとしての開発が続くのだと思います。