10月1日は「しょうゆの日」です。和食に欠かせない調味料であり、みそや納豆と並ぶ日本を代表する大豆発酵食品です。
中国をルーツに、弥生時代からその歴史が始まっていると言われるだけあって、地域に根差した文化があるのも、おもしろいところです。とは言え、現在では出荷量の8割以上が一般に「しょうゆ」と呼ばれる「濃口しょうゆ」。色よく仕上げたい料理に欠かせない薄口しょうゆが1割強です。「薄口」とは色が薄いという意味で、味が薄い、塩気が少ないわけではありません。反対に、色を薄くするために塩を多く添加しています。
夫の実家がある愛知県では、「たまりじょうゆ」も一般的です。「さしみじょうゆ」とも呼ばれ、とろりとしていて濃厚なうま味と強めの香りがあります。岐阜県、三重県を含めた東海3県が「たまりじょうゆ」の産地です。その起源は諸説あるのでしょうが、私が聞いたのは、徳川家康の家来がみそを作る過程でみその上に溜まった液をなめたところおいしく、それを「たまりじょうゆ」として広げたというもの。戦に忙しい時代、製造過程で攪拌しなくてはならないしょうゆよりも手間がかからず、重宝したのでしょう。愛知県碧南市は、薄口しょうゆよりもさらに色が薄い「白しょうゆ」の産地でもあります。
九州のしょうゆが甘いことは皆さんご存知だと思います。私も、初めて口にしたときはびっくりしました。マグロやカツオに代表される赤身文化とフグやカレイに代表される白身文化。それぞれに合うしょうゆが広がったと聞いています。