新型コロナウイルスで自粛要請が発令されて以降、コンビニ各社は売り上げを落としました。が、一方で、客単価は上がりました。その理由はよく分かります。感染予防を考えたら、遠くて混み混みのスーパーより、近くて空き空きのコンビニに行こうと思うのは当たり前です。特に高齢者は。
しかも最近のコンビニは、弁当・惣菜、飲料や菓子だけで集客しているのではありません。使用頻度が高い野菜や果物を売り、人気ラーメン店とコラボしたオリジナルのカップ麺を次々に開発し、テレワークで在宅飲酒の機会が増えた客の利用を見込んで酒類を充実させ、家で料理を作ることが多くなった生活者のために基礎調味料や合わせ調味料の商品群をスーパー並みに拡充しています。
以前、私がコンビニで酒や調味料を購入するのは、「しまった買い置きがない!」という緊急避難的な場合に限られていました。スーパーより値段が高く、しかも小さなサイズなので、割高感、損している感がかなり強かったのです。でも最近は、通常のサイズがあり、しかも安価なPB商品も揃っています。NB商品を選んだとしても、コンビニだから高いという感覚は薄れています。私がそんな感覚になっていったことには、PBの納豆がかなり貢献しています。卵10個入りも、スーパーの通常価格より安いですし、大きさが揃っていない分、L玉が案外の確率で入っていて、得した気分にもなるのです。
春、通勤路にローソンがオープンしました。向かいには、大手飲料メーカーの本社。その集客を見込んでいた矢先のコロナです。近隣にはマンションも多いためか、戦略を切り替えて弁当・惣菜の種類を絞り、野菜や日配品に力を入れていて、近隣住民にはありがたがられているようです。