過去にも登場した今年のトレンドキーワード-4[香り活用]

 香りを商品の魅力にしたり、販売促進やブランディングに利用したり。香りを活用する動きがどんどん広がっています。過去のトレンドキーワードでは、食感、色、温度、香り、音、それぞれに特徴を持たせた商品を求める傾向を[五感消費]というキーワードで紹介。また[香感食品][香楽食品]など香りに特化したキーワードを挙げた年もあり、両方を合わせると、2007年からなんと11回登場しています。[癒やしニーズ]が強まったときに多く、香りが精神の安定に強く結びついていることが分かります。
 過去のトレンドキーワードを見返して興味深かったのは、10年の講演内容。次のような話しをしています。「香りの演出が、商品の販促やブランドの印象付けに有効であることに気付き、積極的に利用している企業が増えています。商品やサービスを売り込むには味や機能性だけでなく、感性や感情に訴える戦略も必要で、香りは有効な手段になります」とし、杏林大学医学部の古賀義彦教授の“嗅覚中枢は、記憶や情緒をつかさどる部位と同じ場所に存在するため、印象に残りやすい”という解説と、本屋に行くとトイレに行きたくなる人が多いこと、かつて付き合った人と同じ匂いを嗅ぐと、その人のことを鮮明に思い出すことなどの例を挙げています。また[香り活用]が広がる背景について、米P&G社の柔軟剤ダウニーが、日本においてあっという間に市場を広げた例を挙げ、「日本人はもともと、強いにおいが苦手な人が多かったのが、近年は、快適なにおいなら進んで求める人が増え、特に若い世代に、従来よりも強い香りが好まれる傾向がある」とし、「感覚の中でも嗅覚は味覚への影響が大きく、今後、メニュー開発や商品開発の重要なファクターになると考えられます」と締めくくっています。
 20年には、味わいや風味の8割は香り、しかも鼻から吸い込む香りではなく、のどの奥から鼻に抜ける香り“レトロネーザル(口腔香気)”によるところが大きいと言われ始め、香りと味覚の関係性に着目。香りを楽しむことをコンセプトにした商品開発やメニュー開発が増えました。